本日の運用では,姿勢を大きく変化させる運用を行いました.
この運用は9/17(土)に続いて2回目で,前回よりもさらに
姿勢変更の幅を大きくしています.

すでにこのブログでもいろいろと解説されていますが,
今回は少し詳しく説明したいと思います.

IKAROSは太陽光圧トルクの影響を受けるため,
通常は,ほぼ太陽に正対する姿勢をとります.

今回この太陽角が40deg程度となるように,指令しました.
この姿勢制御は時間がかかるため,運用終了後も継続して
実施します.

さらに姿勢制御後には,1.5rpm程度までスピンアップします.
スピンレートを大きくすることで,太陽光圧トルクの影響を
相対的に小さくし,従来の姿勢に戻るまでの時間を稼ぎます.
姿勢・軌道がどのように変化していくのか,次回以降の運用で
データを取得します.

本来の姿勢から大きく傾けるのはリスクがあるし,推薬も消費
してしまいます.
しかし,本来の姿勢から大きく変更することで,これまでとは
異なった挙動が見られるので,ソーラーセイルを操るための
重要なデータとなります.

たとえば,ソーラーセイルによる加速は,膜の反射率と面積の
両方に比例するため,ソーラーセイルによる加速量から両方の
値を切り分けて求めることが難しいのです.
しかし姿勢を大きく傾けることで,この切り分けがある程度
可能になります.これにより膜面モデルをより正確にでき,
ソーラーセイルによる軌道制御&決定が高精度化できるかも
しれません.
風車効果等がどのように変化するかも興味深いところです.

この厳しい通信環境において,IKAROSは限界ぎりぎりの
ミッションを遂行しているのです.
「イカロス君,がんばれ!!」(O)


9/27のIKAROS
太陽距離: 0.74AU
地球距離: 140158454km, 赤経=140.5°, 赤緯=14.4°
金星距離: 1.39AU(208446668km)
姿勢:スピンレート=0.3rpm, 太陽角=5deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.74AU
Earth Distance: 140158454km, RA=140.5deg, Dec=14.4deg
Venus Distance: 1.39AU(208446668km)
Attitude: Spin Rate=0.3rpm, Sun Angle=5deg


P.S.
IKAROSグッズを紹介します.
(相模原博物館にも展示させていただきました)
イカロス君の表情が変化し,DCAM姉弟もいろいろなところに
くっつきます.
学生君たちに大うけで,「イカロスマン?」に変身していました.
そのうちどこかのホームページに現れるかもしれません・・
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