本日の運用は,航法誘導実験のためのレンジングと,
GAPや太陽電池データの再生を行いました.


8/13のブログにも書かれてしますが,
先日,比較的強度が強いXクラスの太陽フレアが発生しました.
太陽フレアが発生すると,シングルイベントといって,
放射線によってメモリなどの半導体素子のデータが反転したり,
電気回路に過電流が流れて機器を壊してしまう可能性があります.

メモリが反転したり過電流が流れても機器が壊れないような設計をしてはいますが,
それでもやはり心配なので,私はNICT(情報通信研究機構)のメール配信サービス
http://swc.nict.go.jp/datacenter/
に登録して,宇宙天気情報が毎日メールで届くようにしています.

フレアが発生していないときも,毎日このメールを見て
「今日は大丈夫そうだな」と思ったり,
臨時ニュースでフレア発生のメールを受け取ると
「IKAROS大丈夫かな...(ドキドキ) 明日の運用でチェックしておこう」
と心配したりしています.
運用シフトに毎日入るわけではありませんが,
このメールをきっかけに,遠い宇宙を一人で航海している
IKAROSのことを毎日考える生活が習慣になっています.

このブログをご覧になっている皆さんも,
イカロス君に思いを馳せるきっかけとして
宇宙天気情報メール配信サービスに登録してみてはいかがでしょうか?

ちなみに,宇宙天気情報で観測しているフレアの多くは,
太陽から地球に向かって粒子が飛んでくるものです.
イカロス君は太陽と地球を結ぶラインの上を飛行していないので
地球から見てフレアが観測されたからといって
必ずしもイカロス君に影響があるわけではありません.
強いフレアが発生しても全く何の影響もないことが結構ありますが,
そういうときは,IKAROSが惑星間を飛んでいることを改めて感じます.

(R)


8/20のIKAROS
太陽距離: 0.87AU
地球距離: 109736949km, 赤経=89.6°, 赤緯=18.7°
金星距離: 1.48AU(220994937km)
姿勢: スピンレート=0.5rpm,太陽角=2°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.87AU
Earth Distance: 109736949km, RA=89.6deg, Dec=18.7deg
Venus Distance: 1.48AU(220994937km)
Attitude: Spin Rate=0.5rpm, Sun Angle=2deg