本日(8/13(土))はスピン状態の確認後、リオリを中心に運用を行いました。
HKデータも16bpsで正常に受信できています。

Ikarosは順調に宇宙空間を航行していますが、
「ソーラー電力セイル」の名の通り、太陽の恩恵・影響を大いに受けています。

軌道は太陽との引力に影響されますし、
太陽光発電や太陽センサなどは太陽光があって初めて成り立ちます。
温度環境も、太陽光を直接受ける面では100℃前後にもなります。
また、宇宙放射線の影響も受けます。
先週は今年2月よりも強度が強いXクラスの太陽フレアが発生しましたが、
通信障害やシングルイベントなどで機器に障害が発生することもあるため、
宇宙天気予報なども気に掛けたりする必要性も出るケースもあります。
この他に、ミッション機器にはガンマ線バースト偏光検出器(GAP)があり、
放射線の1種であるγ線のシンチレータが有機/無機と2種類搭載されています。
これにとどまらず、宇宙空間には星間塵が浮遊しており、
膜面上の大面積薄膜ダスト検出アレイ(ALDN)の検出器でカウントしています。
味覚、嗅覚は運用室内の特権?かも知れませんが、
Ikarosは「五感」をフルに活用していると言えるかも知れません。

よって、Ikarosの航行中はいろいろな相互作用を受けていますが、
ソーラーセイルですので、やはり太陽光圧によるダイナミクスの変化が
Ikarosでは効いていると思います。太陽の偉大さを感じているところです。
太陽との距離はこれから前回同様に0.7AU近くまで近づいていきますので、
低スピンレートでの挙動の変化などについても結果が待たれるところです。

もちろん、Ikarosは地球とのやり取りも必要としています。
通信は臼田局からのアップリンクとIkarosからのダウンリンクで必要なデータを
送受信していますが、通信レートが確保しにくくなっている分、
本Blogを通じてお送りいただいた皆様からの盛大な拍手(Clap!)が、
Ikarosはたまた相模原で大きなパワーにもなると思いますので、
今後ともよろしくお願いします。次回の運用は、8/17(水)前半パスの予定です。(H2)

8/13のIKAROS
太陽距離: 0.89AU
地球距離: 107151669km, 赤経=80.1°, 赤緯=17.9°
金星距離: 1.49AU(222247440km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=2.4deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.89AU
Earth Distance: 107151669km, RA=80.1deg, Dec=17.9deg
Venus Distance: 1.49AU(222247440km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=2.4deg