本日(6/30(木))はフルパスで、スピン状態の確認をメインに行いつつ、
パス後半でスピンアップを行いました。
並行して、データレートのおおよそ半分を利用してレコーダの再生もしています。
現在は太陽角が1deg前後でほぼ太陽に対して真正面を向いている状態ですが、
姿勢を変更するリオリも今後行っていく予定です。

今月の運用はこれで終了で、早いもので1年の折返し地点に差し掛かりましたので、
Ikarosの後期運用の半年間をざっと振り返ってみたいと思います。

まず1月ですが、昨年末から通信不可帯を通過して、
タイマによるアンテナ切替え後、
前回から約3週間空いた年明け後最初の運用でもIkarosに異常はなく、
追尾にも特に支障ありませんでした。
当時はビーコン運用で健全性の確認を行っていました。懐かしいですね。

2月に入ると通信状態がよくなり、レンジング計測(3パスコースティング)や
8bpsでテレメトリが取得できた日も多くありました。

3月に入ると地球との距離が約1AU近くと離れた極大期でもありましたが、
通信状態の変化に伴い受信機が度々Lock OFFしてしまい、
パス後半はビーコン運用に切り替えたことも度々ありました。
そして、震災そして計画停電の影響もありました。
なお、薄膜太陽電池の計測なども含め、
必要なコマンドはタイムラインで事前に登録しておき、
データはレコーダに記録してあります。
また、太陽距離が離れてきましたので、推進系設定温度の変更なども行いました。
4月も中旬は度々ビーコン運用を行っていましたが、
合間の期間はデータレコーダの再生を可能な限り行ってきました。

そして5月はようやく地球角が改善して
テレメトリが問題なく復調できるようになりましたので、
Ikarosのパスも大幅に増やし、
これまでの期間のデータ取得や推進系の試験を行っています。
また、太陽から最も離れた遠日点を迎え、温度も極小期でした。

6月からはいよいよスピンダウン運用。
これまでは約4日に1回スピンアップを行うサイクルでしたが、
ある閾値になったタイミングで行う方式に切り替えました。
レートの減少に合わせてカメラでの撮影も行っています。

日々の運用はメンバがBlogで語っているようにもっと奥が深く、
光圧加速の実証や航行技術の獲得など、後期運用のミッションの成果も
楽しみなところですが、日数を積み重ねるとこの半年で運用パスは90パス。
大まかに2日に1回のペースですが、学生当番さん、コマンダさんや
臼田局の皆様のお力のお蔭でもあります。
8月からはだんだん地球との距離も離れていきます。
来月7月は週4日ペースでの運用になりますが、
Ikarosの動き(物理的な挙動を含めて)には目が離せませんので、
これからもIkaros-Blogにお付き合いください。
次回は明日(7/1(金))の予定です。(H2)

6/30のIKAROS
太陽距離: 1.03AU
地球距離: 109743248km, 赤経=27.7°, 赤緯=6.0°
金星距離: 1.41AU(211442619km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.03AU
Earth Distance: 109743248km, RA=27.7deg, Dec=6.0deg
Venus Distance: 1.41AU(211442619km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=1deg