本日は,再生レンジング,薄膜太陽電池の計測,モニタカメラによる撮影,
GAPのデータ再生,スピンアップを行いました.

今週もガスジェットでスピンレート調整を行わずに風車効果でスピンレートを
下げてきましたが,週末で運用が休み(次回の運用は6/28)となるため,
先週末と同様,安全のためガスジェットでスピンレートを少し上げました.

また,ガスジェット噴射前には再生レンジングを行いました.
前回(6/24)と前々回(6/23)の運用でも再生レンジングを実施しましたので,
これで3パスコースティングが成立しました.

IKAROSのスピンレート(遠心力)が低下すると,膜を張る力が弱くなり,
太陽光圧によって膜がたわみやすくなります.さらにIKAROSの膜は
いろいろなデバイスが取り付けられていて不均一となっているため,
どのようなたわみ方をするかは構造力学的にも非常に興味深いところです.
この実験のデータを取得することで,ソーラー電力セイルに限らず,
大型膜構造物の研究に大きく寄与できます.

ただし,スピンレートを下げることは多少リスクを伴います,
この対策の一つとして,先日(6/23)モータを駆動し,回転ガイドを移動しました.
膜と本体をつないでいるテザーやハーネスが引っかかりにくいようにしたのです.


さて,先日(6/17)のブログで取り上げた日本が元気を取り戻すための
キーワード「夢中」について,勝手にもう少し考えてみたいと思います.

「夢中」というのは,いろいろな状態が考えられますが,
「夢(を目指している途)中」というのが,一番イキイキしているのではない
でしょうか.少し大げさに言うと「挑戦」という言葉になるかもしれません.
たとえ小さなことでも,目指すべきゴールを見据え,頑張っている姿が
元気につながっていると考えています.

もちろん全員の夢がかなうとも限らないですし,
いくら努力してもかなわない夢もあるでしょう.
でも,夢がかなう・かなわないとは別に,そのプロセス自体にも意義があり,
さらに,次の夢に向けて進むとき,前の夢の途中で頑張ったコトが活きる
と信じています.

一つの夢(目標)が元気(活力)となり,また新たな夢の糧となる,
実はこの「夢中」の「きっかけ」をつかむのが難しいのかもしれません.
この答えはいまだに分かりませんが,ほんのちょっと意識を変える
というのがポイントかもしれませんね・・(O)


6/25のIKAROS
太陽距離: 1.04AU
地球距離: 111513593km, 赤経=22.6°, 赤緯=4.4°
金星距離: 1.39AU(207845282km)
姿勢:スピンレート=0.4rpm, 太陽角<1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.04AU
Earth Distance: 111513593km, RA=22.6deg, Dec=4.4deg
Venus Distance: 1.39AU(207845282km)
Attitude: Spin Rate=0.4rpm, Sun Angle<1deg


P.S.
「夢中」というのは「共感する」という側面もあると思います.
もし「イカロス君の冒険」が皆さんのワクワクにつながり,
それが元気の源になっているのであれば,うれしい限りです!