本日(6/22(水))の運用では、HKデータ取得とスピン状態確認、
残り時間をフルに使ってデータレコーダ再生を行いました。

スピンレートは、ロケット分離後は5rpm、一次展開前は25rpm近くでしたし、
今月初めは1rpm以上だったのですが、現在は0.4rpm近くになっています。
1rpmをイメージする身近な例としてはアナログ時計の秒針が思い浮かぶかも知れませんが、
Ikarosの膜面(横)方向で視野が毎秒6°回転するスピード(角速度)に相当します。
展開後でも2rpm(30秒周期)の頃と比べると現在は0.4rpm(周期2分半以上)ですので、
遠心力も角速度の2乗に比例して小さくなっています。
ここ10年の国内のスピン衛星としては、先代のひまわり(GMS)は100rpmでしたし、
つばさ(MDS-1)は5rpmでした。3年後に打上げ予定の水星探査機BepiColombo/MMOも
15rpmの予定となっていましたので、これらと比べると現在のIkarosはかなりゆっくりです。
視覚的な動きの身近なイメージを強いて挙げるならば、他にいい例があるかも知れませんが、
来週辺りには、割と小型(ゴンドラ数が十数程度)の観覧車の回り具合に
近づいていっている感じでしょうか。
巨大観覧車は1周の所要時間として15分前後が多いでしょうから、
Ikarosを側から見られる位置にいるとすると、さらに進んで0.1rpm近くになれば、
もっとゆったり回転して見えるのかも知れません。

なお、Ikarosには太陽センサがあり、受光(サンパルス)の間隔から
自身のスピンレートを算出しています。
また、ジャイロのレートも見ながら、回転が遅くなれば
スピンアップさせる仕組みも備わっています。

という訳で、これまでイカロス君は休む間もなくフル回転でしたが
今はこれまでよりはゆっくりと星々を眺められることでしょう。
次回の運用は明日(6/23(木))の予定です。(H2)