本日の運用では,HKデータの取得,再生レンジング,薄膜太陽電池の計測,
データレコーダの再生を行いました.
先週はマクロの書き換え,その機能の確認など緊張感のある運用が続きましたが,
今週はしばらく静観して,スピン状態の推移を見守る予定です.


さて先週末より,IKAROS運用室のあるJAXA相模原キャンパスの隣,相模原市立博物館にて
はやぶさ帰還1周年記念企画展「宇宙とつながる私たち」というものが開催されています.
http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/index.htm

こちらにIKAROSからもいくつか展示物が出展されています.
IKAROSセイルの実物大PM膜1/4ペタルの吊り下げ展示が目立つところですが,
「もう見飽きた」という目の肥えた方のために,
今回はフライト用のセイル膜の展開機構への巻きつけに使用された,
「IKAROSセイル膜収納装置」も展示しています.

実はこの収納装置,2009年夏の宇宙研一般公開でもひっそりと展示されていました.
(覚えているというかたがいらっしゃれば感激です)
当時は収納装置だけで置いてあったのでいったいどう使われるのか不明瞭だったかもしれません.
今回は,展開機構にセッティングして,まさに膜を巻きつけんとする姿で展示していますので,
膜の巻きつけられる仕組みがよくわかっていただけると思います.

ちなみに収納装置という強力な武器があっても,膜の巻きつけ作業は基本的に人海戦術です.
こういった場面で大活躍するのが,学生さんたちなんです!!
...と当時学生やっていた自分が吼えるのもなんですが,
研究室の学生を総動員し,力を合わせて巻きつけていきました.
スケジュールも非常に厳しく,最後のフライト用膜の巻きつけは2日間ほぼぶっ続けの作業で行われました.
時間が切迫しているとはいえ,膜に亀裂が見つかればその度に補修し,
慎重に作業を進めていかなければなりませんので,大変な労力を要します.
分離カメラ画像の中でIKAROSのセイルが全く破れも見えずに開いているということは,
一連の膜作業を行ってきた者たちにとっては非常に重要な結果なのです.


つい熱くなって大事な目玉の展示品を紹介し忘れていました.
今回は皆さまからお送りいただいた応援メッセージや応援グッズがたくさん展示されています.
頂いたもの全てを展示しきれないのが残念ですが,
あらためてIKAROSは多くの皆様の応援に支えられていることを実感し,深く感謝する次第です.
今回の展示は「宇宙工学」というよりも宇宙探査機と皆さんのつながりに焦点を当てたものだそうです.
これまで「宙博」や「空と宇宙展」に足を運ばれた方も,是非ご覧いただければと思います.(Y2)


5/31のIKAROS
太陽距離: 1.08AU
地球距離: 122286160km, 赤経=-0.654°, 赤緯=-3.580°
金星距離: 1.22AU(182810537km)
姿勢:スピンレート=1.4rpm, 太陽角=8deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.08AU
Earth Distance: 122286160km, RA=-0.654deg, Dec=-3.580deg
Venus Distance: 1.22AU(182810537km)
Attitude: Spin Rate=1.4rpm, Sun Angle=8deg