本日(5/19(木))は久々にリアルのHK(ハウスキーピング)データの取得がメインで、
推進系温度確認を行いました。
ここ最近、臼田の天気はよく、おおむね良好な通信が継続出来ています。
1億km以上離れた通信なのに、ごく近い高度数km-数十kmに
それほどまで影響されるものかと思われるかも知れませんが、
周波数が比較的高いと地上の降雨などで減衰してしまうこともあるためです。
そういえば、約1年前の種子島でも雷など天気を気にしながら電気試験などを
行っていました。打上げも天気に左右されましたが、時が過ぎるのは早いものですね。

通信の話が出ましたが、Ikarosは現在地球から0.85AU近く離れているため、
届いたデータは7分以上前の情報になります。
また、HKデータはまとまったパケットとして送られるため、
通信レートに応じたパケット出力間隔(約8分半おきなど)にもよりますが、
いつの時刻かという情報は、最近の他の宇宙機と同じく
パケットのヘッダ部分に付与されています。
Ikarosは約1年前の'10/5/21 21:58:22(UT)に打上げられ、
あかつきがプレスリリースにあるように27分29秒後に分離された後に、
H-IIAロケット(第2段)からONされ、
大まかにはそのタイミングからカウントが始まっています。
時刻情報は1秒で32(16進数で0x20)カウント増えており、
10進数で表すとちょうど10億カウントを超えたところです。
もうすぐ1年というところまで来ましたが、
Ikarosのカウンタは地道に着実に増え続けています。

なお、宇宙機の時刻は厳密ではないため、他の宇宙機でも補正しており
(かぐやでの補正量は1年間で大雑把に10秒弱程度だったと思います)、
補正のために、毎パス、時刻パケットを
Ikarosから地上側に出力させることもしています。
データ通信速度の関係で、地球に送ることができるデータはごくわずかですが、
毎秒のHKデータはデータレコーダに全て記録されているため、
必要なデータがあればポインタを指定して再生したりもしています。

次回の運用は明日(5/20(金))の予定です。(H2)


5/19のIKAROS
太陽距離: 1.08AU
地球距離: 127840226km, 赤経=-11.0°, 赤緯=-7.0°
金星距離: 1.12AU(167096007km)
姿勢:スピンレート=1.5rpm, 太陽角=7deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.08AU
Earth Distance: 127840226km, RA=-11.0deg, Dec=-7.0deg
Venus Distance: 1.12AU(167096007km)
Attitude: Spin Rate=1.5rpm, Sun Angle=7deg