今日の運用も,「通信不可帯」運用に向けた準備を行いました.
主として自律姿勢制御のための推進系駆動テストを行っています.
というわけで少しIKAROSの姿勢の現状についてお話しましょう.

100可視を無事迎えたIKAROSは,いまや定常運用中もっとも難しい運用フェーズを
迎えています.
(セイル展開前は,セイル展開がもっとも困難なハードルだったのですけどね.)

IKAROSは太陽光圧で「加速」しているのですが,それだけでなく姿勢の方も太陽光圧の
影響を強く受けます.(昔blog内で説明した「風車効果」もそのひとつです.)
姿勢運動の変化の仕方は毎日変化します.それは,やわらかーいセイルの形状が
スピンの状況や姿勢変更の影響で日々変わるためで,そのために姿勢屋としては
IKAROSの今後の姿勢運動を読み切るのが,大変難しいのです.

通信不可帯では,2週間以上IKAROSは地球と交信できなくなります.
この長い期間の姿勢運動を読み切って,どんな状況でもIKAROSが通信不可帯を
乗り切ってくれるよう,姿勢・軌道・推進のメンバー一丸となって,
運用時間外は運動推定,運用中は設定作業を,鋭意続けています.(Y)

9/2のIKAROS
太陽距離: 0.98AU
地球距離: 31985094km, 赤経=-128.4°, 赤緯=-28.3°
金星距離: 0.42AU
姿勢:スピンレート=1.4rpm, 太陽角=28.3deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.98AU
Earth Distance: 31985094km, RA=-128.4deg, Dec=-28.3deg
Venus Distance: 0.42AU
Attitude: Spin Rate=1.4rpm, Sun Angle=28.3deg