ご無沙汰しております.Y3です.

中々運用が出来ない期間が続きましたが,
10月13日(土)にIKAROSの運用を行いました.

もはや恒例となってしまいましたが,
ブログ更新が相当に遅れてしまいました.
報告を心待ちにされていた方々,
大変,申し訳ありませんでしたm(_ _;)m

これには深い訳がありますが,言い訳するのも
ちょっと残念ですので,ここでは控ようと思います.
要は例のあの人の無茶ブリだった訳です….


少し期間が空いたものの,10月13日の運用においても,
IKAROSの電波を確認することができ,
地球から2億7千万kmも離れたIKAROSはいまだ順調に
航行中です.

10月13日の運用でも,ビーコン運用を行い,
探査機のステータスの確認を行いました.
地球距離がどんどん遠くなるにつれ,
スペアナのノイズレベルが徐々に上がってきている
こともあって「心眼!」と叫ばなければならない日が
またやってきそうです….

ともあれ,無事に冬眠モードから目覚め,
データまで取得できている現在の状況に
ただただ感謝するばかりです.

6/14のブログにも書きましたが,私は冬眠後の
IKAROSの姿勢予測を現在に至るまで行ってきました.
以前のブログの中でも書いた通り,
冬眠後,IKAROSの復帰にあたり,必要な条件は,
大きく3つありました.

①太陽角(太陽方向とスピン軸方向の間の角度)が減少すること
 ⇒IKAROSが十分な電力を発電するため
②地球角(地球方向とスピン軸方向の間の角度)が減少すること
 ⇒IKAROSと十分な通信回線を確立するため
③IKAROSの軌道を正確に予測すること
 ⇒地上局アンテナの方向を正確にIKAROSの飛んでいる方向へ
  向けるため

今回の冬眠後にIKAROSが見つかった背景には,
上記3つの条件が全て揃ったことがあります.

とりわけ③の条件については,姿勢がきちんと
予測され,さらにその姿勢を基に計算した軌道が
正確に予測されていなければなりませんでした.

これは,ソーラーセイルに特有で,太陽光圧による
加速度もきちんと考慮して計算しなければ,
軌道が正確に求まらないのです.
(それこそがソーラーセイルたる所以であるわけですが)

したがって,正確に太陽光圧を計算するための
正確な姿勢予測が必要でした.


これまでにデータのない運動も含めて
予測していたこともあり,
こんなの本当に見つけられるのか?と
自問自答をしたことも何度もありました.

無茶ブリに耐え兼ねた日もありました….

それでも常に前向きに頑張れたのは,
誰よりも復活を願って無茶ブリを繰り返した
Oさんの執念と,誰よりも運用に参加していた
KYさん,Y2さんの頑張り,
また私の姿勢を基に軌道を計算して頂いた
メーカ―の方の熱意,
そしてこのブログへのコメントや,
Twitterなどでイカロス君の復活を心待ちにして
応援して下さった皆さんのメッセージでした.

特にメッセージは,一人で解析をしていて,
心が折れかかっている時には心に沁みました.


振り返ってみると,どの一つの要素が欠けても,
今回の発見は,なかったように思います.

結果だけを見ると,華々しい成績を残してきたようにも
見えますが,はやぶさほどではないにしろ,
舞台裏では様々な苦労や苦悩があったと思っています.

これからもIKAROSプロジェクトチームが存続する限り,
このような苦労や苦悩というのは付いて回るものでしょうが,
乗り越えた時の達成感や喜びはまたひとしおです.

その達成感や喜びをこれからも皆さんと共有できるよう,
早めにブログを書くことに努めようと思う次第です(o- -o;)
ですので,これからも何卒,応援よろしくお願い致しますm(_ _)m

次回運用は,10月18日(木)です.
ブログの更新時間もお楽しみに!(笑)(Y3)



10/13のIKAROS
太陽距離: 0.83AU
地球距離: 269503403km, 赤経=-168.9°, 赤緯=-2.6°
金星距離: 0.99AU(148584683km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.83AU
Earth Distance: 269503403km, RA=-168.9deg, Dec=-2.6deg
Venus Distance: 0.99AU(148584683km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg