ご無沙汰しております。KYです。

 IKAROSデモンストレーションチームを解散(平成24年度末)する時点で、
IKAROSが次回冬眠モード(*)明け(2回目)となる時期にデータ受信を
試みることとしていました。

(*)冬眠モード:IKAROSの回転中心軸と太陽の方向とのなす角(太陽角)
   及び太陽との距離の増加に伴い、搭載機器の消費電力に対して発生
   電力が下回ったため、搭載機器シャットダウン状態となる事象を
   冬眠モードと呼んでいます。
   つまり、IKAROSは太陽電池パネルに太陽の光があたると、その光で
   電気がつくられ、IKAROSのいろいろな機器を動かしているのですが、
   太陽の光が太陽電池パネルに当たらなくなる時期があって、電気が
   足りなくなるので、その間は全ての機器がOFFの状態のことです。


 平成25年6月20日(木)より状態確認のための運用を開始したところ、
データ受信が確認できました。(冬眠明けを確認できました)

 IKAROSの健康状態は継続して確認中ですが、IKAROSは今回も無事厳しい
冬眠を無事やりすごして見事に復活し、深い宇宙の中を航行中です。
 大変ありがたいことです。
 これでまた、IKAROSを利用した新たな研究成果創出の可能性が見出せる
ことでしょう。

 運用できる日もすごく限られているため、また、1回の運用のなかで確認
できることが限られているため、いろいろなタイミングや状態を見計らい
ながら、せわしない作業を行っています。

 前回のIKAROS探索には長い時間がかかりました。これには、初めての冬眠
モード期間だったため、次の大きな要因がありました。
 ①冬眠中のIKAROSの姿勢、回転状態の変化が予想しづらかったこと。
 ②このため、通信できない間にIKAROSの飛行経路の予想が広い範囲に
  わたっていたこと。
 ③臼田局のアンテナを向けられる方向と運用できる時間が限られている
  中で、たくさんの予想した方向にアンテナを向けながらIKAROSとの
  通信を試みるしかなかったこと。


 しかし、今回は違いました。1回目の運用でIKAROSからのデータ受信が確認
できたのです。これには 次の大きな成果が生きたことを証明しています。
 ①昨年の冬眠モード明けのデータ取得により、冬眠中のIKAROSの姿勢、
  回転状態、発生電力が十分に足りる時期が予想できたこと。
 ②IKAROSの飛行経路予想がごく狭い範囲に予想できたこと。
 ③限られた運用時間の中で、いかに効率よくIKAROSと通信するかの
  運用手順を組み立てられたこと。
 ④(Y2さんとY3さんの心眼能力が格段にあがったこと)
 ⑤(IKAROS君は、寝ている間に何か健康食品でもつまみ食いしているのか、
   宇宙で体でも鍛えているのか、寿命を確実に延ばして長生きして
   くれていること。)

 今回取得できたデータも糧にして次の研究や技術蓄積にも確実に役立てて
いきます。 



 また、大変ありがたいことに、様々なタイミングでたくさんの方から
メッセージや差し入れを頂いております。
 この場をお借りして御礼申し上げます。
 本当にありがとうございます。

( KY )




※以下の軌道情報は,参考値です.
6/20のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 260117171km, 赤経=84.3°, 赤緯=23.2°
金星距離: 0.76AU(113257894km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 260117171km, RA=84.3deg, Dec=23.2deg
Venus Distance: 0.76AU(113257894km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg





6月20日は何の日?

 ・小惑星「エウレカ」を発見。火星のトロヤ群で始めて発見された小惑星
  (1990年)

 ・Y2さん、Y3さんの心眼仙人称号授与日。(いえ。まだまだです)