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第89号 2001年3月16日発行

目次


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DARTSコーナー:

BeppoSAXデータアーカイブの(部分)公開について

 既にお気づきの方もあると思いますが、DARTS では去る1月23日より BeppoSAX 衛星のデータアーカイブを取り込んだ天体物理データベース第 5 版を公開しています。以下、新システムについて簡単に御紹介します。

BeppoSAX データアーカイブについて

BeppoSAX 衛星

 BeppoSAX 衛星はイタリアとオランダが共同開発した X線天文衛星で、0.1─300 keV という広い帯域をカバーすることを特徴としています。搭載検出器は4種類の NFI (Narrow Field Instruments) と WFC (Wide Field Camera) です。NFI の内訳は LECS (Low Energy Concentrator Spectrometer)、MECS (Medium Energy Concentrator Spectrometer)、HPGSPC (High Pressure Gas Scintillation Proportional Counter)、PDS (Phoswich Detector System) となっています。

データアーカイブ

 アーカイブに含まれるのは、NFI のうちLECS、MECS、PDS のデータで、イベントリストとプロダクト類(画像やエネルギースペクトル)、HK 情報などが提供されています。PI に提供されるテレメトリ (FOT: Final Observation Tapes) はアーカイブには含まれません。なお、一部の観測に PDS のデータが含まれていないなど、内容の一貫性に欠ける面がありますので御注意ください。

 アーカイブの作成元は BeppoSAX Science Data Center (SDC) ですが、DARTS では NASA/GSFC 経由でデータを受け取っています。GSFC ではアーカイブの内容を整理・確認しており、この作業は DARTS で提供しているデータにも反映されています。

 残念ながら、データの更新頻度はさほど高くありません。そもそも SAX SDC から GSFC にデータが渡されるのが年に 1、2 度程度で、DARTS がデータを受け取るのはさらに遅れます。したがって、DARTS で必ずしも最新のデータを提供できるわけではないことをお断りしておきます。 最新のデータが必要な場合は SAX SDC (http://www.sdc.asi.it/sax_main.html ── 現在改修中の模様ですが) を御参照ください。

 アーカイブに含まれていない NFI のデータ (HPGSPC など) や公開済の WFC のデータが必要な場合にも SAX SDC (helpdesc@sax.sdc.asi.it) に問い合わせてください。

「あすか」データアーカイブの現状・

 「あすか」衛星のアーカイブデータの公開も引き続き行っています。3 月 1 日の時点で、延 3079 観測の 96% にあたる 2950 観測が公開されており、PI の占有権が切れた観測から順に公開を進めています。10 月半ばまでに全てのデータが公開される予定です。

 「あすか」は 3 月 2 日に大気圏に再突入してその生涯を終えましたが、「あすか」衛星で得られた膨大なデータのなかにはまだまだ宝物が隠されているはずです。この資産を有効に活用していただければと思います。

ユーザーインターフェース

 ユーザーインターフェースはこれまで御利用いただいていた DARTS 第 4 版とほとんど同じです。検索開始時に BeppoSAX の欄にチェックするだけで、あとは「あすか」と同様にお使いいただけます。

 不具合などお気づきの点がありましたら、 comments@darts.isas.ac.jp まで遠慮なくお知らせください。

関係URL一覧

* http://www.darts.isas.ac.jp/astro/index.cgi
DARTS 天体物理データベース
* http://www.darts.isas.ac.jp/ja/astro/
DARTS 天体物理関連サービスの一覧
* http://www.darts.isas.ac.jp/ja/astro/sax.html
BeppoSAX 衛星データアーカイブに関する説明

(山下 朗子)


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宇宙研を去るにあたって

 平成11年4月から約2年間お世話になったPLAINセンターを3月15日で去ることになりました。

 データベースに関してはゼロからのスタートで先輩方に教わることばかりでしたが、何とか「あすか」revision 2 アーカイブの公開を軌道に乗せ、また BeppoSAX アーカイブを付け加えて DARTS 天体物理データベースの多衛星化への一歩を踏み出すこともでき、最低限の役目は果たせたのかなと思っています。

 とはいえ、心残りもあります。とりわけ ASTRO-E 衛星の軌道投入失敗は無念でした。科学・工学研究の面で悔やまれるのはもちろんですが、DARTS にとっても、「あすか」に続いて ASTRO-E のデータを組み込んで宇宙研の衛星データを華々しく(?) 提供していく心づもりだっただけに残念でした。リカバリーミッションである ASTRO-E II が上がる頃には DARTS もより整備され、ASTRO-F (2003年度打上予定) などのデータを交えて賑やかな構成になっているものと期待しています。

 宇宙研には、大学院時代から通算すれば 8年近くもお世話になりました。最初は遠いと思った相模原キャンパスですが (注: 通勤に片道約1時間半をかけています)、気づいてみれば他のどこよりも長く通った場所になっていました。PLAIN センターのみならず、宇宙研でお世話になった皆様、これまでどうもありがとうございました。

(山下 朗子)


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大型計算機に関するお知らせ

1.課題更新手続きについて

 現在利用されている課題の有効期限は、3月31日までとなっておりますので、次年度も引き続き利用される課題の更新手続きは、3月16日(金)までにお願いします。課題更新用紙は、3月2日(金)にお送りしましたのでご利用ください。

課題更新用申請用紙のフォーマットについて

 課題申請用紙は3種類ありますので、申請目的にあった用紙をご利用ください。

(1)GS8300/10N MSP 用 新規申請用紙
(2)UNIX 用 新規申請用紙
(3)課題更新 MSP・UNIX 用 更新用申請用紙


MSP と UNIX は、各々別の管理をしておりますので、申請時には各々予算登録をしてください。
更新用紙には同一予算費目、同一内容の UNIX ・MSP のセット課題を上段・下段に記入し、提出してください。
新規課題申請用用紙は、A棟4F、7F、B棟1F、C棟2F、D棟2Fの各サブステーションのレターケースの中にあります。


2.大型計算機年度末処理について

 毎年行われている年度末処理を、今年は3月30日(金)・31日(土)の2日間に行います。年度末処理では、次の事項を行います。

 ・システムバックアップ

 ・年間ジョブ集計、課金集計処理

 ・課題登録、更新処理

 ・マスタファイルの切り替え  

 ・CEファーム改版作業  

 ・重大障害修正作業と確認

長時間ジョブのイニシエータは特に事前の停止は行いませんので各自の判断で入力してください。3月30日の9:00までに終了しないジョブはキャンセルします。
GS8300 / 10N の MSP におけるジョブ出力結果は、3月29日までに取り出してください。また、取り出しできなかったジョブ出力は、MTにバックアップを取ってありますので、必要な方は4月3日以後、内線8391高橋、梶沼まで連絡してください。
課題の更新をしない方は、3月29日までにプログラム・データの MT 吸い上げを行い、ファイルの消去をしてください。MSP の場合はデータのバックアップユーティリティには SASAR, SASMV があります。


3.3月・4月の計算機年度末処理及び保守作業予定

 3月・4月は、下記の通り年度末処理及び保守作業を予定しております。


 M:システムメンテナンス

※13月に予定されていた VPP 800 の保守作業及び4月に予定されていた Alpha サーバの保守作業は年度末処理が予定されているので中止します。
※2 VPP 800 は年度末処理に引き続き、ソフトウェアバージョンアップのため4月1日も運休します。


(三浦 昭 )


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編集発行:文部科学省宇宙科学研究所
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