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第80号 2000年6月14日発行

目次


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パソコンによる動画作製・デジタルビデオ編集

(2) パソコンで扱うことのできる動画

1.はじめに

 今回は連載の2回目で、前回途中までになっていたパソコンで扱うことができる動画の続きです。

2.パソコンで扱える動画像(続き)

 前回、動画像のデータ量が巨大なものになり、圧縮する必要があることと、圧縮方法として gif と JPEG について説明しました。今回は MPEG です。


1)MPEG

 MPEG は画像が時間方向にあまり大きく変化しないことを使って、JPEG による圧縮よりも更にデータを圧縮します。具体的には、まず、基準の画像を設け、これは JPEG で圧縮します。それよりも後の画像はこの基準画像との差だけを記録してゆきます。あまり長い間、差だけを記録すると、ずれが大きくなっていまい、全てを記録するのと同じになります。このため、空間だけで圧縮する画像を一定の間隔で挿入しています。その結果、MPEG では映像の各駒の役割が(圧縮方法が)異なり、任意の場所で切ったり挿入したりすることができません。

 MPEG は現在規格として 1、2、4 が決まっています。この番号は制定された順番についていて、 番号が増えるほど新しい規格です。 ビデオ CD に使われているのは MPEG1 では VHS ビデオと同程度の 320x240 の解像度を持っています。この場合、最大で 1.5 MB/sec のデータレートであるため、ある程度長い映像でもファイルサイズはそれほど巨大にはならず、滑らかな動きが再生可能です。MPEG2 は DVD に使われている高画質の規格を一般に指します。データレートを4倍以上に上げて高解像度にしているため、画像はきれいですが、ファイルサイズが大きくなる難点があります。MPEG4 は web での使用などを考えた最も新しい高圧縮の規格で、シャープのインターネットビューカムとして製品化されています。320x240 の解像度で録画した場合、70 kB/sec と MPEG1 より1桁小さくなっています。今後 MPEG4 が増えてくるでしょうね。

 ファイルサイズを考えた場合、MPEG4 が最も小さくなりますが、MPEG4 に対応したソフトもハードもまだ少なく、現時点で選ぶとノートパソコンでのプレゼンテーションには MPEG1 がいいでしょう。 MPEG は UNIX や Windows、MAC とプラットフォームを問わずサポートされていることと、圧縮比が非常に高いので、インターネットや他の機種へ動画データを持って行くときにも好都合です。

2)AVI

 Windows の標準的な動画ファイルの形式が AVI です。この利点はプレゼンテーションでよく使われる PowerPoint で直接使えることでしょう。 Mac や UNIX など他の OS では使えない難点もあります。

 次回は QuickTime を説明し、さらに CFD などの計算結果をパソコンで動画表示する方法とビデオからの取り込み方法、そして、動画を編集してビデオを作る方法と話しを進めてゆきます。

理化学研究所・情報基盤研究部・情報環境室 姫野 龍太郎 himeno@postman.riken.go.jp)


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DARTS 新サービスのお知らせ

 太陽地球系物理関係で DARTS に 2 つの新サービスが開始されます。1つめは既に 1 月号でお知らせしたように、 NASA/GSFC の CDAWeb のミラーサイトの運営です。 CDAWeb では太陽地球系物理の国際的なプロジェクトである ISTP 計画で提供されているキーパラメータという共通フォーマットの簡易データのすべてが提供されており、最新の太陽地球物理関係の衛星データ、地上観測データなどを参照することができます。ミラーサイトのアドレスは http://www.darts.isas.ac.jp/CDAWeb/ です。なお、ミラーサイトに関連した問い合わせは電子メール等 comments@darts.isas.ac.jp で応じることができますが、データの内容に関してはオリジナルの NASA のサイトに問い合わせていただくようお願いいたします。特に、 CDAWeb では特定のユーザーグループに入らなければアクセスできないページがありますが、これらのアカウント申請は残念ながら PLAIN センターではうけつけることができません。

 もう 1 つは GEOTAIL 衛星の高時間分解能データの提供です。GEOTAIL 衛星の磁場データとしては既に 3 秒サンプリングのデータが DARTS より公開されていますが、GEOTAIL 衛星搭載のフラックスゲート磁力計は 1/16 秒サンプリングでデータを取得しています。今回はこの高時間 分解能データを DARTS/GEOTAIL のページから提供することになります。データの利用制限は従来通りですが、論文発表などに際しては必ず PI(東工大:長井教授)に連絡をしていただく必要があります。(詳細はホームページ上の注意書を参照してください。)このデータから非常にはやいスケールでの磁気圏磁場の解析ができるようになります。CDAWeb ミラーサイトは 5 月下旬より既に公開済みですが、GEOTAIL 磁場高時間分解能データに関しては 6 月中の公開を予定して準備中です。   


図 サンプル画面


(篠原 育)


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大型計算機に関するお知らせ

1.大型計算機の6月・7月の保守作業の予定



7月の定期保守はありません

※1 M:システムメンテナンス 

(三浦 昭 )


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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