第70号 1999年8月16日発行
目次
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あなたのコンピュータは大丈夫ですか?
- その2: 西暦 2000 年問題 -
西暦 2000 年まで、あと 5 か月を切りましたが、2000 年問題 (Y2K問題) の対策はお済みでしょうか? もしお済みでない場合、 西暦 2000 年前後から (2000年以降の日付を扱う時点から)、コンピュータの誤動作等の問題が発生するおそれがあります.
問題の発端は、従来コンピュータで年のデータを扱う際には、西暦の上 2 桁を 1900 年とみなして、下 2 桁のみで 1900 年台を表すことが多かったことにあります.そのため;
(1) 入力や表示の際に年号の下 2 桁だけを使っている.
(2) 計算機内のデータも年号の下 2 桁だけを保存している.
(3) 年号の計算をする際に、下 2 桁しか使わない.
といった処理が往々にして行なわれていました.その他 2000 年の閏年の計算をしない、とか年号の99 を特別な意味に使う等、 関連する問題は多々現れています.このような処理が入っているソフトや OS を使っていると、西暦 2000 年を越えた際に様々な障害が発生してしまいます.
手元のコンピュータを 2000 年問題に対応させる(以下、「2000 年対応」と略記します) には、
(a) ハードウェアや BIOS 等が 2000 年対応であること.
(b) OS が 2000 年対応であること
(c) アプリケーションや自作のプログラム等が 2000 年対応であること
(d) ネットワークに接続している場合には、相互に利用しているコンピュータ等も 2000 年対応となっていること.
等の全ての条件を満たして初めて 2000 年にも問題なく使えると考えなくてはなりません.
例えば宇宙研でも良く使われている SunOS 4.X(Solaris 1.X) の場合、そのままでは 2000 年対応にはなっておらず、まさに上に書いた理由により、 2000 年以降の年月日を設定できなくなっています.その他にも様々な問題が報告されています.これを回避するための修正が提供されているのはSunOS 4.1.3_u1 Version B と、SunOS 4.1.4 のみです.これらは、2000年問題に関連する修正だけで20種類程度にのぼっています.これより古い OSは 2000 年対応にすることはできないため、製造元は SunOS 4.1.4 へのアップグレードを推奨しています.
その他の UNIX 系の OS でも、出荷時から 2000 年対応となっているものは最近のバージョンのみであり、多くの OS では何らかの修正を適用するか、最新の OS にアップグレードするかしないと2000 年を乗り切れない状況にあります.
パソコン系の主な OS の場合、
・ MacOS (漢字Talk) は全て 2000 年対応
・ Windows98 も個人で使う分には支障がない程度に 2000 年対応
・ Windows95 は、製造元で検証中
・ WindowsNT4.0 は、Service Pack 4 を適用すれば2000 年対応となるものの、Service Pack の適用により障害が発生する場合もある
とのことです.
しかしながらOSが 2000 年対応となっても、OS上で使用するアプリケーション等も含めて 2000 年対応になっていないと、2000 年を越えて作業を行なう際に重大な障害を引き起こすおそれがあります.(逆に、2000 年対応にした副作用で、1900年代の初期のデータが 2000 年の初期のデータと誤認識される危険もありますが……)またコンピュータの年号を強制的に 1900 年台の早い時期に戻して使用した場合も日付情報の不整合が生じるため、予期しない障害の原因となります.
くれぐれも安易にお考えにならず、適切な対策を講じて頂くよう、よろしくお願い致します.お手持ちのコンピュータを 2000 年対応とするための出発点として、2000 年問題関連の情報のページ
http://www.pub.isas.ac.jp/docs/year2000/
を用意していますので、適宜御利用下さい.
(三浦 昭)
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PLAIN センター運営委員会報告
平成11年度の第1回標記委員会が7月15日に開催されました。議題は、1.計算機リプレースの現状について、2.ネットワークについての2つです。前者については、細かいトラブルはあるものの概ね順調に進んでいます。今回の最大の議論は、ネットワークのセキュリティーに関する検討でした。衛星運用関係のネットワークは従来から外部からの接続を厳しく制限してきましたが、今後、所内の全てのネットワークを Firewall の内側に配して外部からの不正侵入を防ぐ必要があります。種々議論はありましたが、その方式等について所内の各サブネットの責任者や利用者にアンケートを配布しますので、その節にはご協力をお願い致します。なお、現状のシステムでも、不正侵入はパスワードの管理によってかなり防ぐことができますので、各個人で常に注意していただくことが肝要です。
(向井 利典)
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大型計算機に関するお知らせ
I.大型計算機の8月・9月の保守作業の予定
8月の定期保守作業はありません。
9月の定期保守は 9 月20日(月)の 8:00〜13:00 の間に VPP 800 / 12 の保守作業を行います。
II.ファイルサーバの停止とデータ移行に伴う作業手順について
以下のお知らせは7月号ニュースと同じものです。
1.ファイルサーバ停止およびデータ移行実施の日時
・1999 年 8 月18日(水) 9:00 より終日
・1999 年 8 月19日(木) 終日
・1999 年 8 月20日(金) 22:00 まで
2.ファイルサーバ停止に伴う各センター UNIX サーバ運用への影響と作業の手順
(1)センター DEC の運用停止
・ファイルサーバの入替作業を機会に現行 DEC の運用を完了し、新センター Alpha Serve GS 60 の運用を開始します。
a) 現行 DEC のプロセス停止
運用停止 8 月18日(水)の作業開始時点で存在している利用者のプロセスはその時点でキャンセルされます。
b) 現行 DEC の停止・・・18(水)9:00 shutdown
(2)SGI の停止
・ファイルサーバ入替を機会に運用を完了します。
a) SGI のプロセス停止
運用停止8月18日(水)の作業開始時点で存在している利用者のプロセスはその時点でキャンセルされます。
b) SGI の停止処理・・・18(水)9:00 shutdown
(3)VX の停止
・ファイルサーバ入替を機会に運用を完了します。
a) VX のプロセス停止
運用停止8月18日(水)の作業開始時点で存在している利用者のプロセスはその時点でキャンセルされます。
b) VX の停止・・・18(水)9:00 shutdown
(4)多目的サーバ( Sun )の停止
・ファイルサーバ入替を機会に運用を完了します。
a) 多目的サーバのプロセス停止
運用停止8月18日(水)の作業開始時点で存在している利用者のプロセスはその時点でキャンセルされます。
b) 多目的サーバの停止・・・18(水)9:00 shutdown
(5)VPP 800
a) シンプレックス・モードへの移行・・・
17(火)9:00 実行
b) キュー停止・・・17(火)18:00 実行
c) ジョブのキャンセル・・・18(水)作業開始時
※ただし、30分程度で終了するジョブについてはジョブの完了を待つ。
d) 停止処理実行・・・キャンセルの完了後
運用停止8月18日(水)の作業開始時点で存在している利用者のプロセスはその時点でキャンセルされます。
(6)利用者管理サーバ
・ファイルサーバ入替後も現行サーバは運用を継続。
a) 停止・・・18(水)9:00 shutdown
運用停止8月18日(水)の作業開始時点で存在している利用者のプロセスはその時点でキャンセルされます。
3.ファイルサーバ運用入替作業期間に実施するデータ移行作業について
今回のリプレースで、現行サーバから移行するデータの対象は以下のとおりです。
a) ファイルサーバ( Auspex )のユーザデータ
・ファイルサーバ入替期間中に移行実施。
b) センター DEC の /home/tmpufs1, /home/tmpufs2 のデータ
・ファイルサーバ入替期間中に移行実施。
c) VX の /home/tmpvf11, /home/ttmpufs1
・VPP 800 側へ移行。
4.計算機使用料金について
UNIX 系計算機のリプレースに伴い VPP 800 / 12 を除く UNIX 系計算機の使用料金は8月18日から9月30日まで無料となります。
(関口 豊)
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