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第28号 1996年2月9日発行

目次


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SFUの運用とデータ処理
(3)SFUにおけるデータ処理方式

 今回は、前回解説したシステムにおいてどのようにデータの処理 を行うかについてお話します。SFUは、互いに関連のない多くの 実験機器を搭載して飛行しますので、どのような実験機器のデータ もなるべく同一の方法で処理できるように工夫しました。

 まず、コマンド計画については、各実験担当者、あるいは共通系運用担当者から運用要求をFO(Functional Objective)という形で集 めます。FOは、運用計画を作成するための単位であり、ミッショ ン上の運用目的ごとに一つづつ作成されます。FOには、そのFOを実行するための制約条件や必要となる衛星上の資源、そのFOを 実行するためのコマンド列等の情報が含まれます。実験系と共通系 のFOは、それぞれのFO作成装置で作成されます。また、軌道制 御のためのFOは、軌道制御計画立案ソフトウェアによって作成さ れます。

 あるミッション期間内に実行すべきFOが集まると、それらのFOを合成してコマンド計画(タイムライン)が作成されます。これ には、タイムライン作成装置という装置が使用されます。タイムラ イン作成装置は、作成されたタイムラインが制約条件や衛星資源の 割り当てルールを満たしているかなどを自動的にチェックします。 作成されたタイムラインはSFUコマンド言語という簡易で記述されます。作成されたタイムラインはSFU管制装置に送られます。 SFU管制装置は、タイムラインに基づいてコマンドデータをゲー トウェイ経由で地上局に送信します。タイムラインにないコマンド を可視時間中にSFU管制装置で発行することもできます。

 テレメトリは、次のように処理します。まず、ゲートウェイが地上局からテレメトリデータを受信し、それをSFU管制装置と実験機器管制装置とに分配します。SFU管制装置ではおもに共通系デ ータがモニタされ、実験機器管制装置ではおもに実験系データがモニタされます。また、これらの装置は、データの蓄積および検索機能も有しており、過去に受信したテレメトリデータをトレンドグ ラフ等の形式で表示することもできます。

 実験データの解析は、実験ごとに用意される実験データ処理装置に送られ、ここで解析処理や処理済みデータの蓄積がなされます。

    (A) コマンドデータの流れ


    (B) テレメトリデータの流れ

(山田 隆弘)


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大型計算機に関するお知らせ

I. 課題更新手続きについて           

 現在利用されている課題の有効期限は、3月31日迄となっておりますので、次年度も引き続き利用される課題の更新手続きは、3月19日(火)迄にお願いします。課題申請用紙は3月1日(金)にお送りします。

II.大型計算機年度末処理について    

 毎年行われている年度末処理を今年は、3月30日(土)、31日(日)に予定しておりますのでよろしくお願いします。 詳細スケジュール、内容については3月号でお知らせします。

III.2月・3月の計算機保守作業予定 

 2月はリプレースのため保守作業予定はありません。3月は下記の通り予定しております。



※1 UPS(CVCF)のオーバーホールと電池交換作業
※2 3月から保守作業の曜日が,第3回目の金 曜日から第3回目の月曜日に変わります。

IV.大型計算機使用料3月分の無料について

 計算機リプレースのため、度々の運転停止により御迷惑をおかけした事と、 新システムに慣れて頂く事を目的に、2月後半から3月末日まで、現在使用中の課題に限り無料とします。     

V.計算機リプレースによる機種対応について 

 1月号のお知らせで一部説明不足のため、リプレースによる対応機種が不明との質問がありましたので、下記の対応表を作りました。     


VI.UNIX系システムホームディレクトリ移行について 

 次期システムの導入作業に伴い、UNIX系システム(DS90/VPP500/UXPM) のホームディレクトリは、以下の様に移行いたします。        

VPP500 :
現行 /home/isasXX/[課題番号]/[ ログイン名 ]
移行後 そのまま変更なし
移行作業は、富士通側で一括して行います。
UXPM :  
現行 /home/isasXX/[課題番号]/[ ログイン名 ]
移行後 /home/isasXX/[課題番号]/[ ログイン名 ]/uxpm
移行作業は、富士通側で一括して行います。
DS90 :
現行 /home/isasXX/[課題番号]/[ ログイン名 ]
移行後 各ユーザのホームディレクトリ配下には、移行いたしません。
ただし、以下のディレクトリにDS90のディスクをマウント致しますので各ユーザレベルでコピーを行って下さい。
/home/ds90/[課題番号]/[ ログイン名 ]

VII.大型計算用UPS(CVCF)バッテリについて 

 UPS用バッテリが老朽化したため、予算の関係で10分程度の容量のバッテリと交換することになりました。
そのため、停電感知後ただちに電源断のシーケンスに入りますので、特に長時間ジョブの場合、ジョブがキルされても途中からの再開が出来る様、プログラム上の考慮をお願いします。
(関口 豊)


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大型計算機共同利用研究公募のお知らせ

 宇宙科学研究所PLAINセンターでは、全国共同利用研究の一環として、大型計算機を用いた共同利用研究を公募致します。公募内容は、当研究所が行っている飛翔体(科学衛星、ロケット、大気球)を用いた研究と密接に関係する宇宙理学、宇宙工学研究で、
(1)宇宙観測データの総合解析、
(2)数値シミュレーション
が対象です。利用出来る計算機は、宇宙科学研究所のVPP−500,GS8400の他、各地域の大型計算機センターも利用が可能です。平成8年度の応募の締切りは、3月18日(月)で、応募書類は各大学の事務室宛てに送っております。なお、本公募に関するお問い合わせは、宇宙科学研究所研究協力課共同利用係(内線;2234)までお願い致します。  
(小原 隆博)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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