PLAIN センターニュース第20号
 
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第20号 1995年6月8日発行

目次


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ネットワークよもやま話(2) − 所内ネットワークの現状

 今回は、宇宙科学研究所における所内ネットワークの現状について述べる。所内ネットワークには、所内における情報通信を行うためのインフラストラクチャであり、パソコン、ワークステーションからスーパーコンピュータにいたるまで、所内各所のさまざまなコンピュータが接続されている(図2)。


 所外とは、3 Mb/sの専用回線で学術情報ネットワークのインターネットバックボーン(SINET)に接続しており、これを通してインターネットと接続している。これにより、インターネットに接続する宇宙研から世界中の大学や研究所との間で、電子メール、遠隔ホストのアクセス、ファイル転送などさまざまな情報通信を行うことができる。今、巷で流行のWWW(World Wide Web)も、世界中のサーバにアクセスすることができる。逆に、世界中から宇宙研のWWWサーバやデータベースにアクセスすることができ、宇宙研からの情報発信するための強力な手段を提供する。

 所内ネットワークとの接続は、研究室等に設置されている所内ネットワークのイーサネットの口を使用する。部屋にイーサネットの口がない場合は、設置工事を行う必要がある。A棟の各研究室にイーサネットの口を設ける場合、10BASE-Tのコンセントを設置している。10BASE-Tのコンセントは、各階のEPS室の端子盤と接続しており、パッチケーブルによりイーサネットハブ装置(ハブ)と接続している(図1)。


この接続形態は、3年前の大型計算機システムのリプレースを機に導入したものである。

 コンセントには、10BASE-Tの口が2個ついており、通常、片方の口が実際にハブとつなげてあり、もう一方は予備である。1つの10BASE-Tの口には、ハブ装置を接続し、いくつものポートに分岐することができ、多数のコンピュータが接続することができる。予備の口は、プロジェクトのLANなど、所内ネットワーク以外の系統に接続する場合や接続する計算機の台数が多すぎて1つの口で収まりきらない場合に使用する。

 所内より高速に接続する手段としては、FDDIが利用可能であり、部分的ではあるがATMによる接続も使われている。FDDIは、伝送速度が100 Mb/sの光ファイバのループ方式のLANであり、所内ネットワークの幹線としてセンターFDDIが敷設されている。これには、相模原地区の各所に敷設されているイーサネットのセグメントを収容するルータ(IP以外のプロトコルはブリッジしている。このようなブリッジとルータの両方の機能を兼ね備えている装置を、ブルータと呼ぶことがある。)が接続している。センターFDDIには、スーパーコンピュータ、汎用大型計算機、ファイルサーバなどいくつかのコンピュータも直接接続している。

 研究室等のワークステーションをFDDIによって接続するために、研究室接続用FDDIが用意されており、センターFDDIとは、ルータを介して接続している。研究室等からの集線のために、A棟の4階と7階にCDDI用のハブが用意し、ケーブルを引くのが大工事にならないように配慮している。なお、CDDIとは、FDDI方式のLANに接続するのに、取り扱いのやっかいな光ファイバに代えて、より対線で接続するための方式である。

 ATM(Asynchronous Transfer Mode)は、本来超高速ネットワークのための技術である。必要に応じて帯域等の「通信の品質」を保証することができるため、データのみならず音声や画像の伝送にも向いている。広域ネットワークにもLANにも適用できる技術であり、100〜150Mb/s程度の通信速度のLANの方式として、FDDIや100Mb/sイーサネットとともに視野に入れておくべきものの一つでもある。宇宙研では、SINETとの接続の高速化(当初1.5 Mb/s、現在3 Mb/s)にあたって、将来の増強を考慮したATMによる接続を行っている。

 以上、所内ネットワークの現状について、その概略を紹介させていただいた。なお、所内ネットワークとの接続等については、PLAINセンターに問い合わせされたい。
(松方 純) 


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平成7年度PLAINセンター計算機 共同利用研究採択者決定

 宇宙科学企画情報解析センター(PLAINセンター)では、衛星観測データ等の解析や計算機シミュレーション研究を推進する目的で、年に一度、計算機共同利用研究の公募を受け付けています。平成7年度の公募は、去る3月15日に締め切られ、引き続き審査を行なっておりました。この度、以下の様に、採択者が決定されました。

 (1)総合解析分野
 A、太陽系科学-------------5件
 B、天文------------------2件
 C、工学------------------1件
 
 (2)シミュレーション分野
 A、太陽系科学-----------21件
 B、天文----------------10件
 C、工学------------------9件

 各研究者は各々の希望に添って、各大学の大型計算機センター、又は、ISASの大型計算機を、査定の範囲内で利用します。今年度の予算配分は、各大学大型計算機利用金額が総計250万円、ISAS大型計算機利用総CPU時間が 2000時間です。研究の進展によって予算追加が必要な場合は、積極的に支援する態勢です。

 なお、この件についての詳しいお問い合わせは、PLAINセンター小原(内線2509)まで、お願い致します。
(小原 隆博) 


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大型計算機に関するお知らせ

I.6・7月の計算機保守作業予定                    
              
※1 (1)VPP500保守作業のためのイニシエータクローズ
6月15日 (木)22:00
(2)VPP500定期保守
6月16日 (金)13:00〜17:00
(3)システムフリーズ機能導入及び確認テスト
6月16日(金)17:00〜6月18日(日)22:00
(4)ネットワーク保守
宇宙研内ネットワークのLLU-E のファームのレベ ルアップ及びF9190レピータの保守
6月18日 (日)9:00 〜15:00
(5) SIRIUSデータファイルの定期保守
6月18日(日)9:00〜18:00(担当: 加藤)

以上の通り、保守作業を予定しておりますので、宜しくお願いします。

II.ネットワークプリンタの使用方法について

 ネットワークプリンタが設置され、テストも完了しましたので下記の手順で御利用下さい。

(1)プリンタについて
  印字速度:最大30枚/分
  印刷コード:EUCテキスト/PostScript (自動判別)
  用紙サイズ :A4、A3、B4 (それぞれ片面/両面印刷可)
  ※デフォルトは、A4片面
  設置場所 B棟1階バッチ室 (プリンタ名lp1)
  A棟4階サブステーション (プリンタ名lp4)
  A棟7階サブステーション (プリンタ名lp7)

(2)印刷方法
 ・印刷可能なホスト
VPP500       
M1800 UXP/M
DSステーション

※上記以外のホストからは印刷ができませんので、上記以外のホストから御利用になる場合は、一度上記ホストを経由して印刷して下さい。
                  
印刷依頼方法
%lpr -P [ プリンタ名] [-C:"[オプション, オプション..]"][ファイル名]
[プリンタ名] : ネットワークプリンタlp1,lp4,lp7
[オプション] : (ネットワークプリンタに依頼する場合のみ有効)
用紙選択 : paper=[a3,a4,b4](デフォルトは a4(A4用紙))
片/両面 : side=[simplex,duplex] (デフォルトは simplex(片面印刷))
印字方向 : direct=[portrait,landscape] (デフォルトは portrait(縦書き))
フォントサイズ : fontsize=[7p,9p,10.5p,12p](デフォルトは 10.5p)
コピー枚数 : copies=[1,2,......30](デフォルトは1枚)
 
.ファイルreadme.docを両面横書きでlp1 に印刷する場合
  %lpr -P lp1 -C:"side=duplex,direct =landscape" readme.doc
 
  ファイルreadme.docを片面縦書きでlp1 に印 刷する場合
  %lpr -P lp1 readme.doc
 
従来のlpコマンドについて
 従来のlpコマンドでも印刷依頼は可能です。ただしオプションの指定ができません。 このためlpコマンドで印刷した場合はA4片面縦書き印刷。

(3)ネットワークプリンタの課金
 当分の間、用紙サイズ、両・片面等に関係なく、1ページ3円となります。課金のタイミングは1週間に一度料金に反映されます。
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
宇宙科学企画情報解析センター
〒229 神奈川県相模原市由野台 3 -1-1 (Tel 0427-51-3911,内線 2611)