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第14号 1994年12月7日発行

目次


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衛星データ処理「ようこう

 平成3年8月30日に打ち上げられた科学衛星「ようこう」は、X線・ガンマ線領域で太陽を観測する4つの観測機器を搭載しています。打ち上げ3年を経た現在も依然として順調に、活動減衰期にある太陽を観測し続けています。今回はこの貴重な衛星からのデータがどのように太陽研究者のところに届き、どのように解析されているかをご紹介します。

(1)衛星から地上へ、シリウスへ
 衛星からのデータは、従来の鹿児島KSCでの受信と並行して、NASA/DSNのステーションでもダウンリンクされます。もちろんそのためには、KSCからあらかじめOPを用いてダウンリンクの計画をプログラムしておく必要があります。 このDSNの協力により、取得できるデータの量はKSC1局を利用する場合の2倍以上に増加しました。海外取得のデータはJPLに集められ、NASCOMラ インを通じてSSOCに転送され、実質的に1−2日程度でKSCからのデータと 同様にシリウスファイルとしてアクセスが可能となります。もちろんオペレーショ ン上の緊急性に備えて、KSC取得のデータは一時的なファイルを作成して、運用に供せられるようになっています。

(2)シリウスからワークステーションへ
 多くのデータの解析はワークステーション上で行われています。シリウスに保存されたデータは、内容を失うことなく、よりW/Sでの科学解析に都合のよい形態の、 ”リフォーマテッド・データ”に変換されて利用されます。宇宙研相模原キャンパスにはsolarnetと呼ばれるサブネットワークがあり、このネットワーク上のワークステーション群で、データ解析が行われています。

(3)リフォーマテッドデータベース
 全データがワークステション上にオンラインであれば理想的ですが、それではディスクの容量がもちませんので、リフォーマテッドデータはExabyteテープにデータベースとして保存・配布されます。宇宙研ではマスター・テープから、国内・米合衆国・連合王国の共同研究者の拠点向けのテータ配信を行っています。2MBヴァージョンで「ようこう」の1週間分のデータがほぼ1巻の8mmテープに収まる感じになります。

(4)計算機ネットワークとデータ解析
 「ようこう」の科学データの解析には市販のIDL(Interactive Data Language) という言語を用いてソフトウエア体系が構築されています。全国の研究者は各研究所のワークステーションからsolarnetのワークステーションにアクセスして解析を行うこともできますし、自前のIDLを使って配布されてくるリフォーマテッドデータを用いても行うことができます。

 幸い「ようこう」は打ち上げ3年を経た今も順調に観測を継続しており、その取得データのスムースかつ信頼できる流れに支えられて、太陽コロナに関する貴重な情報を送り続けています。
(国立天文台 渡邊鉄哉)


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大型計算機に関するお知らせ

I.氈D12月・1月保守作業予定

 *1
VPP500保守作業のため12月14日17:00に長時間ジョブのイニシエ−タをクロ−ズします。
.大型計算機の年末・年始運転スケジュ−ル

連続運転  12月23日(金)、24日(土)、25日(日)
運転終了 12月27日(火)18:00まで  *2
計算機保守  12月28日(水)、29日(木)、30日(金)  *3 *4
 平成7年1月4日(水)
運転開始  平成7年1月5日(木)9:30より(VPP500、M1800)

 但しSSOC#1、M770#2 は衛星運用のため1月4日(水)13:00より運転可能です。  
 *2
VPP500のデバッククラスを除く長時間ジョブは12月26日17:00にイニシエ−タをクロ−ズします。
 *3
M770#1、#2 共年末の保守作業は行いませんので30日まで衛星運用に使用可能です。(12月11日に保守作業を代行したため)  
 *4
年末保守作業では次の作業を行います。
VPP500
 SE:
一括修正、緊急修正、言語製品レベルアッ プ、システム環境整備 
 CE:
SVPのHCP改版、CDUのイオン交換、F6427HA の診断テスト、SVP のパッチ実施
M1800  
 SE:
一括修正、緊急修正、JQPSMP及びTISP PTF-UP、宇宙研重大障害修正、DTS レベルアップ
。.SIRIUSデ−タファイル及びSSOC#1、M770#2定期保守

 12月11日(日) 3:00から16:00の間、VPP500を除くM1800、SSOC#1、M770#2 の3システムを下記作業のため運転停止となります。 
(1)
SSOC#1、M770#2のサ−ビスプロセッサ−に機能追加
(2)
F6427HA/HB オフトラック診断とリフォ−マット実施
(3)
F6425M/N ディスク予防交換 
(4)
SSOC#1 定期保守 
(5)
SIRIUS 関連のI/O 定期保守 
(6)
JQPSMP、TISP PTF-UP 
(7)
DTS レベルアップ           
(8)
その他ソフト障害修正            
(SSOC#1担当は周東氏、SIRIUS担当は加藤氏) 

 以上を予定して居りますので、よろしくお願いします。

「.バックアップ/リストア 新ツ−ルSASARについて

 MSPにおいてバックアップ/リストア ツ−ルとしてSASMVが既に提供されて居りますが、新たに次の機能が追加され便利に成りましたのでご利用下さい。 
(1)
他人がバックアップしたデ−タセットを自分のデ−タセットにリストア出来る
(2)
リストア時のデ−タセット名の変更が出来る 尚、操作手引書はB棟1Fオ−プン室及び計算機事務室に有りますのでご利用下さい。
」.計算機登録予算の移算締切について  

 前年度と同様今年度も下記日時で計算機登録予算の移算処理を締め切らせて頂きます。

締切日時 平成6年12月27日(火) 17:00

 尚、上記日時以後も予算追加は随時出来ますが、その追加予算は翌年度移算となります。
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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