PLAINセンターニュース第99号
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新年を迎えて

長瀬 文昭
PLAINセンター

 明けましておめでとうございます。

 PLAINセンターでは昨年は、科学技術振興事業団(JST) の計算科学技術活用型特定研究開発推進事業(ACT-JST) の支援を得て、DARTS システムを大幅に充実し、一般に公開する3年計画の事業を無事終了することが出来ました。また、計算機・ネットワークの維持・管理、工学データベースの構築、ネットワークセキュリティの一段の向上等にも努めて参りました。今年はいよいよ DASH、Muses-C の打ち上げが予定されております。引き続き Astro-F、Astro-E2、Solar-B などの大型で大容量のデータを取得する衛星の打ち上げも数年後に迫って参りました。一方、宇宙開発事業団、宇宙科学研究所、航空技術研究所のいわゆる宇宙3機関の統合も議論が進み、いよいよ本格的な組織再編成が目前に迫って参りました。PLAINセンターとしても、数少ないスタッフですが一同全力を尽くして、(1) 計算機の維持・管理、(2) ネットワークの維持・管理、(3) データベースの開発・管理に取り組みながら、このような新しい流れに対応していきたいと思っています。

 今年は、上記の定常的な業務に加えて、(1) スーパーSINET の運用開始と (2) 平成15年度に予定されている計算機リプレースにむけた仕様検討、調達日程の開始、がPLAINセンター関連の主要な事業として予定されております。宇宙研は平成11年度より国立情報学研究所の学術情報ネットワーク (SINET) のノードとなり、宇宙研ネットワークの対外接続容量も大幅に改善されました。一方、宇宙研が産出する衛星観測データ資源、スーパーコンピューターを用いた計算資源も加速度的に増加しており、一層高速のデータ通信が期待されております。情報研でも SINET をさらに高速化した毎秒10ギガビットの超高速通信ネットワークを主要大学・研究機関間の基幹ネットワークとする (スーパーSINET) 計画が持ち上がり、今年1月には開通する運びとなっております。宇宙研はこの基幹ネットワーク (スーパーSINET) のノード機関の1つとして、平成12年度の補正予算で所内LAN バックボーンの整備が認められ、昨年秋にはスーパー・コンピュータは元より、各研究棟・実験棟の各フロアー末端まで1ギガビット通信が可能となるよう所内LAN の整備を完了してスーパーSINET への接続を待っております。

 計算機のリプレースに関しては、汎用機(正確には衛星運用支援・データ処理システム)のリプレースが平成15年8月、スーパー・コンピュータのリプレースが平成16年3月に予定されています。それぞれの標準調達日程から逆算しますと共に平成14年度当初に仕様書策定に取りかかると共に、資料提供招請の官報公示を行わなければなりません。次のリプレースは標準的には汎用機が5年後、スパコンが6年後になります。特に汎用機については現行の衛星の運用に加え、Muses-C、Lunar-A、Astro-F、Astro-E2、Solar-B 等、この期間に打ち上げられる衛星の運用、データ処理が行えるシステムを用意する必要があります。今後、プロジェクト関係者、衛星運用地上系関係者の方々の御意見を伺いながら、PLAINセンターのスタッフが中心となり、限られた予算内で効率が良く、信頼性の高い衛星運用支援・データ処理システムを導入すべく、検討を進めたいと思っております。

 今や、計算機・ネットワークは研究開発活動を共同で行うための根幹設備であります。また、巨額の資金を投じ、多くの研究者・技術者の努力により取得された科学衛星データ資源の公開と有効利用は研究所の使命でもあります。PLAINセンターのスタッフ一同は今年もこれまで以上に頑張る所存ですので、皆様のご協力・ご支援をいただきますよう、よろしくお願い致します。



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