PLAINセンターニュース第97号
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平成13年度 計算機運営委員会・議事録(抄)

笠羽康正

 2001.10.17(水)に、宇宙科学研究所・計算機委員会が行われました。
所内・所外一般ユーザーに波及するものをピックアップし、若干情報を補足してお知らせします。

I. Super SINET の導入について

 平成14年1月を目処に、東北大〜阪大までの基幹ノード間が高速の「Gigabit Ethernet (GbE)」回線」で相互接続されます。来年度には北大・九大まで延長、理研などSINET外機関との接続も視野に入るとのこと。この10Gbpsの基幹線と平行に、「宇宙・天文(宇宙研,天文台)」、「高エネルギー物理」、「遺伝子科学」、「ナノテクノロジー」、「GRID」の5分野で専用回線1Gbpsが別途確保されます。
 この一環として、宇宙研は10Gbpsの基幹線とは別枠で、「天文台(database接続)、東北大、東大、名大、京大」と1Gbpsの専用回線で接続されます。この回線は、初期設定として「大学側にモISASサブネットモを構成」します。つまり、大学LANとはつながず、ISAS-Firewallの内側に直結します。初期の接続対象は、衛星データ転送・スパコン利用の需要を持つ研究系にお願いしましたが、今後の拡大も視野に入れていますので、ご希望ありましたら各機関の窓口の方々へお伝えください。

宇宙研

三浦

笠羽

miura@plain.isas.ac.jp

kasaba@plain.isas.ac.jp

東北大

飯島

iizima@stpp1.geophys.tohoku.ac.jp

東京大

星野

国分

hoshino@eps.s.u-tokyo.ac.jp

kokubun@phys.s.u-tokyo.ac.jp

名大

古澤

furuzawa@u.phys.nagoya-u.ac.jp

京大

能勢

tsuru@cr.scphys.kyoto-u.ac.jp

nose@kugi.kyoto-u.ac.jp

  他機関への拡大は現在のところ不透明(情報研に依存)で、今回新設される回線が十二分に活用されることが大前提となります。現状でのネットワーク用途は、その細さからせいぜい「mailによる情報交換」と「単方向のデータ転送」程度ですが、今後、高速ネットワークを活用した新研究形態の創出が我々には期待されています。具体的には、「データ解析システム」、「数値実験システム」、「遠隔実験システム」、「工学設計システム」の4分野が挙げられるでしょう。
 初期稼動後の来年1月に、 メ高速ネットワーク時代の宇宙科学モ と題したシンポジウムを企画いたします。所外の接続希望機関、所内の研究部門からの多様な提案を期待いたします。

II. 所内計算機・ネットワークについて

1. 所内LANのギガビット化について

  所外の「高速化」の前提となる「所内LANのギガビット化」は、大枠終了しつつあります。既にバックボーンの多くは移行されつつあり、各居室のギガビット用コネクタは利用可能です。12月にはセンター計算機群も移行され、ほぼ作業は完了いたします。
完了後は、希望に応じてV-LANによって任意の部屋を同サブネットに構成できます。これは、「Super-SINET専用線」接続先の所外機関モISASサブネットモを含みます。また、TV会議サーバーの稼動準備も大詰を迎えています。利用可能となり次第アナウンス致します。

2. センター計算機のNFSサービス試験について

 PLAINセンター・スパコンのディスクを、各研究室でNFSマウントを可能とする検討を開始予定です。 巨大な数値データのダウンロード・置場確保の苦労軽減を期すためです。
 試験は、「センター=藤井研」間で実施します。具体的には、センター計算機の「特定HD」を VPP800と研究室で共有します。「特定HD」は特定ユーザーのみアクセス可能とし、そのユーザーがセンターに持込むことが原則です(「ユーザー側計算機のディスクをマウントできないか?」という意見がありますが、ユーザー側計算機の不具合がセンター計算機に波及してしまうので駄目)。この環境で問題を洗い出し、次期リプレイスに反映させる予定です。将来は、全所的拡大を視野に入れます。対象には、「Super-SINET専用線」接続先の所外機関モISASサブネットモを含みます。

3. KSCのSINET回線の増強案について

 現在、KSCは鹿児島大まで1.5Mbpsで接続されていますが、情報研から「希望があれば今年度中に5Mbpsまで増強可能」との連絡が着ています。ただし、回線費用は、現状の倍です。
 現在の相模原=KSC間は伝送遅延が100-300msもあり、FTPの実効速度の上限は300k-1Mbps程度に過ぎず、上記を適用しても実効がありません。これは、「途中の回線で極端な遅延が発生している」ためです。このため、Super-SINET導入後(H14年1月以降)でないと、どの程度実効性があるか判断できない状況です。
 また、「需要があるか」という問題もあります。「次期衛星群(ASTRO-F、ASTRO-E2、SOLAR-B)同時運用のためのbackup回線」という意見が出されましたが、まだ数年先であり、かつその頃には専用線を低価格で増強できる可能性もあります。また、SINET回線は常時接続が保証されているわけではなく、運用関係は常時接続が保証できる「専用回線の増強」が本筋です。
 このためすぐには希望せず、「相模原=KSC間遅延の実情調査」(自力&情報研へ要請)と「当面の需要の確認」(ようこう・はるか・打上関係)を進めつつ、来年1月のSuper-SINET導入後に、伝送速度の改善状況を見て結論を出す予定です。

 安全性向上の対策として、7月に「KSC・NTCに対する所外アクセス停止」、9月に「Virus自動チェッカーの全面導入」を行いました。8月以降、世間ではNIMDAなどによる混乱に見舞われましたが、幸い上記及び従来からの対策もあって、ISASではトラブルは出ていません。
 各ユーザーレベルで、今後とも以下を周知・堅持いただくようお願いいたします。

原則

安全サイドで判断する

トラブルが減ります。加害行為も防げます

下記が理解できなければ、周囲の人に聞く

「最低ライン」の予備知識です。実施できない方は、「潜在的加害者」だということを自覚してください

一般

OS・Network関連ソフトを、最新版にアップデートする

古いものには「孔」があり、危険です。特に「OSの新規インストール時」は注意。最新状態へのアップデートと適切な設定が終わる前につないで、トラブルに巻き込まれる例多し

note-PCの持込に注意する

出張先からのnote-PCによるVirus感染例が多い

不要なら、Networkから外す or 電源を切る

最強の対策です

Mailer

HTTP-mailなど「自動実行機能」は切る

自動実行機能を悪用されたトラブルが多発しています。特にOutlookはDefaultのままで絶対に使わないこと。使っていいのは「安全確実な設定にできる」人のみ。それ以外は別のmailerを使うこと

Anti-Virus tool を導入する

最新設定でなければ無意味。Updateは必須

不審な添付ファイルは開けない

特に "*.exe" は危険。知人からでも、本人確認が必要。また、疑われるようなファイル・巨大なファイルは送らないこと

WWW-
browser

最新versionにアップデートする

特にInternet Explorer(IE)。古いままで不用意にアクセスすると、トラブルに巻き込まれる可能性があります

不要な機能は切る

IEの場合:「Security」や「Privacy」を安全サイドに設定する

Windows

NT/2000の「Server機能(IIS)」を原則使わないこと

使っていいのは「安全確実な設定にできる」人のみ

Network共有は、上記の「安全な設定」が前提

共有機能でVirusが一気に広がったケースがあります。「弱い」ものを共有対象に含めないこと。巻き込まれます



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