PLAINニュース第202号
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平成22年度 C-SODA 特別公開報告

木村 智樹
宇宙科学情報解析研究系

 本年度の相模原キャンパス特別公開が、7月 30,31日の二日間にわたり開催されました。

今年の特別公開では、6月に小惑星イトカワから地球に帰還したばかりの「はやぶさ」探査機のカプセルが、初めて一般の方々へ公開されました。先日の感動的な帰還劇による「はやぶさブーム」が強力に後押しして、二日間で計 3 万 3 千人を超えるお客様のご来場があったそうです。

C-SODA の展示ブースでは、今年も「宇宙の”お宝データ”を探せ」と題しまして、我々の運用しているデータアーカイブ「DARTS」の紹介や、DARTS で公開されている宇宙科学データにちなんだ「お宝クイズ」などを行いました。

お客様には、DARTS のデータなどから得られた、各分野の最新研究成果に関する カード をヒントにして、クイズに答えていただきました (カードは http://darts.jaxa.jp/outreach/treasure からご覧頂けます)。全問正解をした方には、お宝カードを景品としてお持ち帰り頂きました。今年も、大人向けの難易度の高いクイズと、お子さん向けの比較的やさしいクイズを用意しましたところ、ご好評をいただき、合計で 1100 名以上の方にご回答頂いた模様です。

今年はクイズの他に、DARTS 紹介のための新しい展示物として、「あけぼの」衛星で観測された太陽や地球の発する電磁波を、「地球と太陽が奏でる音楽」として音声化を行いました.電磁波は周波数と振幅を持った「波」です。それを利用して、電磁波の周波数を音の高さに、振幅を音の大きさに変換して、音声化を行いました.地球のオーロラ上空からでる嵐のような音や、太陽表面の爆発に関連した輝きのある音など、多様な物理過程に対応した、多様な音楽を聴くことができます。

他の新企画として、「ひので」「ようこう」衛星の撮った太陽のX線画像をカレンダー形式で検索できる展示を用意し、お客様の「生まれた日の太陽」を見ていただきました。ふたつの太陽観測衛星を組み合わせ、1991 年から 2010 年現在までの約 20 年間にわたるデータが閲覧できるようになり、多くのお客様に楽しんでいただけたようです。

会場には、DARTS で公開されているデータや、天文データ閲覧システム「JUDO」を紹介する、美しい ムービー も流され、興味を持って見入ってくださるお客様もいらっしゃいました。

はやぶさの熱気に包まれた今年の特別公開は、本展示を含め、非常に多くの方に楽しんでいただけた様です。これを一過性のものとせず、来年以降もより多くの方へ宇宙科学研究所と DARTS について知っていただけるよう、特別公開へ臨んで行きたいものです。



(3.8MB/ 4 pages)

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