PLAINニュース第198号
Page 2

平成21年度 科学衛星運用・データ利用センター (C-SODA) 運営委員会報告

鎌田 幸男(C-SODAセンター長)
海老沢 研(C-SODA副センター長)

  H22年 3月 29日に、C-SODA 運営委員会が開催されました。H21年度は委員の任期 (二年) の最初の年になり、今期は特に様々な分野における宇宙データ、衛星データの利用に見識の深い先生方を委員としてお招きしました。宇宙研外からの出席委員は以下の各氏です;福田徹 (JAXA 地球観測研究センター長)、尾中敬 (東大)、出村裕英 (会津大)、水本好彦 (国立天文台)、村田健史 (NICT)、山内茂雄 (奈良女子大)。それに宇宙研内から 6人の委員を加え、出席委員は 12人でした。あと、今回はご欠席でしたが宇宙研外からは横山央明氏 (東大)が委員となっています。

 昨年度の委員会でも話題になったように (PLAIN ニュース 187号)、C-SODA の業務の中には衛星運用、ネットワーク、計算機管理のように定められたことを着実に行うべき部分と、広い科学的見地に立ったポリシーを定めて進めるべき衛星データ利用促進に関する部分があり、外部委員会は主に後者に係るべきものだと言う意見が以前からありました。そのような背景で、今回の委員会では前者に関する評価は行わず、後者のみを議題としました。C-SODA における科学衛星データ整備に関するドメインごとの現状報告と質疑応答のあと、JAXA の科学衛星データ利用促進に向けた今後の委員会活動の進め方について、活発な議論が交わされました。

 NASA や ESA と比べると、JAXA では科学衛星のデータ整備にかけるリソースが手薄く、多くの科学成果を出しうるデータが、その整備が進んでいないがために十分に活用されていない事例が多々あるという認識を、委員の中で共有しました。その一方、JAXAでも地球観測においては高いレベルでデータポリシーが定められていて、観測データに対しては十分使いやすい形にまで高次データ処理を施してアーカイブ化することが前提である、という指摘もありました。

 そして、この委員会の主な目的は、JAXA の科学衛星データの利用価値の重要性を各方面に知らしめること、また、科学衛星が取得した貴重なデータが十分整備されずに放置されるような状況が起きない仕組みを考えること、ということでほぼ意見が一致しました。宇宙研におけるその実行組織がC-SODAになる訳ですが、当委員会は C-SODA 全体の運営をドライブする委員会ではなく、C-SODA の実行するデータ整備関連業務のステアリングに注力することが望ましいという意見が出ました。

 上記の目的に向けた具体的な活動の第一歩として、約一年間かけて、国内外の科学衛星データの整備、利用状況を調査し、それに基づいた今後の JAXA の科学衛星データ利用についての提言をまとめたレポートを作成することを、今期の委員会の最初のミッションとすることになりました。また、そのレポートの内容に実効性を持たせるためには、理学委員会へ提出することが有効で、当委員会を理学委員会の下の「データ専門委員会(仮称)」として再出発することも提案されました。

 このような事情で、今年度は C-SODA 運営委員会の体制に大きな変化があると思われますが、適宜、PLAIN ニュース上で進捗を報告させて頂く予定です。今後とも C-SODA をよろしくお願い致します。



(3.8MB/ 4 pages)

Next Issue
Previous Issue
Backnumber
Author Index
Mail to PLAINnewsPLAINnews HOME