NASA 経由はデータ中継衛星「群」TDRSS を使用するので、長いリアルタイム通信が可能です。例として図3 に、ある日の通信可能時間帯を示しました。現在の典型的な Ku バンド通信可能時間割合は、平日 70%, 週末 60% です。一方 JAXA 経由は、データ中継衛星を1機のみ使用し、さらに使用時間を地球観測衛星「だいち」と分け合うため、ISS に割り当てられる可視時間は短くなります。しかし JAXA 経由には「通信リソース配分を JAXA で決定できる」、「端 (つくば地上) から端 (MAXI) まで TCP/IP で通信できる」といった利点があります。
5. MAXI データの地上処理
筑波宇宙センターに設置する MAXI 地上系では、生データの保存、テレメトリの Quick Look、突発X線増光天体のサーチと速報送出を行います (図4上部)。理化学研究所の MAXI 地上系では、JAXA から MAXI の全生データをオンラインで受け取り、詳細な科学解析と、データの公開を行います (図4下部)。
6. MAXI データの公開
「X線イベントデータ」の解析は図4下部に示したように理研に設置した MAXI データ解析システムで行います。その出力である、ライトカーブ、スペクトル、イメージをウェブサイトを通じて一般に公開します。MAXI が本運用に入ってから 3か月目以降に、事前選出の約 1000 天体分から順次公開する予定です。