PLAINセンターニュース第154号
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一般公開の報告

宮下 幸長
PLAIN センター


 7月29日 (土) に宇宙科学本部の一般公開が開催されました。PLAIN センターは、新A棟 B会議室で、「宇宙とコンピュータ」というブースを開き、コンピュータを用いた展示を行いました。今年は梅雨明けが遅く、天気が心配でしたが悪天候にはならず、非常に多くの方々に来ていただきました。(宇宙研全体で 19,500人もの来訪者があったそうです。)

 具体的な展示内容は、DARTS (宇宙研の科学衛星データアーカイブス) の紹介、コンピュータのセキュリティ関連、および、クイズでした。今年は、特に DARTS の紹介に重点を置きました。DARTS では宇宙物理 (X 線天文学、赤外線天文学)・太陽物理・太陽地球系物理の人工衛星データが公開されていますが、専門家でない人向けにこれらの紹介のウェブページを作りました。また、上級者向けですが、主に高校生や大学生に向けて、実際に研究者も利用している X線データ解析システムを使っての実習や、太陽地球系の観測データ解析参照システム (STARS) のデモも行いました。解析に興味を持った人や、DARTS は無料のサービスで、利用者登録をしなくても最新のデータが取得できることに感心してくれる人が何人もいました。

 さらにDARTS 関連では、現在進められている宇宙科学データ音声化プロジェクト (PLAIN センターニュース 2006年 4月 第150号 参照) のデモも展示しました。このプロジェクトは、いろいろな天体からの電磁波などを音にしてみることが目的で、日本福祉大学の宇野研究室との共同プロジェクトです。通常、データは、グラフや画像にして見ますが、「見る」代わりに「聞いてみる」ことで、新しい閃きが起こるかもしれません。また、視覚障害のある方と一緒に宇宙からのメッセージを楽しめるかもしれません。 今回は、X 線パルサーからのパルス、巨大ブラックホールや銀河系最速のジェットによる X 線、さらに、電磁波ではありませんが、地磁気擾乱の程度を示す Kp 指数などを、音声で表現したものを作りました。まだ試作段階でしたが、なかなか面白い「音楽」になり、評判がよかったです。このプロジェクトは、まだ始ったばかりですので、これからの発展が期待されます。(http://darts.isas.jaxa.jp/Music/ にて試聴できます。)

 他には、コンピュータのセキュリティ関連では、ウィルス・スパイウェア・フィッシング等のアニメーションを上映しました。Q&A コーナーを設け、ウィルスとスパイウェアのパンフレットの配布もしました。また、クイズは、宇宙科学・宇宙開発やコンピュータに関する問題を、小学生向けと中学生以上向けの2コースを用意して、出題しました。どちらのコースも少々難しかったようですが、全問正解者が9人いました。成績優秀な方には、銀河や惑星の写真の付いたカレンダーやしおりを景品として贈呈しました。クイズは、端末が常に埋まるほどの人気でした。

 全体的に順調に終了し、好評だったと思いますが、終わってからいくつか反省点が見えてきました。来年には改善していきたいと思います。


皆さんクイズに真剣に取り組んでいました。

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人工衛星データを用いた太陽地球系物理学の研究(1)

宇宙研計算機,ネットワークに関するお知らせ


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