PLAINセンターニュース第139号Page 2

宇宙研解析サーバのAstro−E2向けの整備

村上 弘志
PLAINセンター


 衛星で取得されたデータが広く活用されるよう環境を整えることが PLAIN センターの使命の一つです。前記事にあるように、DARTS がデータの配布のために構築されておりますが、さらにそのデータを解析するための手段も同時に提供していくことで、より広くより手軽にデータ解析が行われることを目指します。

 そのため、PLAIN センターではもうじき打ち上げられる予定の Astro-E2 衛星向けに解析サーバの環境整備に取り組んでいます (解析サーバやDARTS等周辺システムとの詳細については PLAIN センターニュース2003年8月号を参照のこと)。現在用意されている解析用サーバは以下の3台です (twa はまだ運用開始されていない)。

host 名 機器 OS
ana Sun SunFire V880 Solaris 9
jal 富士通 PRIMERGY P250 Red Hat Linux 8
twa Apple Xserve G5 Mac OS X

どれも UNIX OS に違いはありませんが、少しでも使い慣れた環境での解析ができるよう、OS は別々です。また、こうすることによりユーザーが自分の計算機で同じ OS を用いている場合は (rsync などで)解析環境を丸々コピーすることも可能です。

 利用者としては、まずは国内の X 線天文学研究者を想定していますが、さらには国外の研究者や、他波長でX線の解析に興味はあるが敷居が高くてこれまで手を付けられなかった、といった人達にも活用してもらいたいと考えています。したがって今後の方針としては、

 1) 最新の解析環境を常に用意しておく
 2) 分野外の人向けのドキュメントの充実

の二つを柱としていきます。

 とは言うものの、どのみち基本的な解析ソフトは ftools として配布されるため、自分の計算機に解析環境を揃えることも今や大した手間ではありません。それでもなお PLAIN センターで解析をする利点としては、

  • 最新の環境に update する手間がいらない
  • 全公開データが揃っている (NFS マウントされる)ため、大量解析でも転送の手間が省けディスク容量もいらない
  • 他機関の共同研究者とのデータ共有が容易

といったことが挙げられます。また、プロジェクト終了後も解析可能な環境を残しておく、という意義もあります。

 このような利点に対して当然リモートで解析することによる面倒な点もあるわけですが、多くの人に使って頂けるシステムにしなければ無駄になってしまうので、ご意見、ご要望をどんどんお寄せください。



DARTS の新規開発 −基盤の設計と Astro-E2 向けの実装−

大型計算機に関するお知らせ


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