PLAINセンターニュース第104号
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皆様こんにちは。今回もALOSの紹介とNASDA/EORCの取り組みというテーマで書かさせていただきたいと思います。先回はALOSの紹介をさせていただきましたので、今回は宇宙開発事業団、地球観測利用研究センター(Earth Observation Research Center: EORC)において、ALOSの運用にむけて現在行われている取り組みについて述べたいと思います。

1. 校正・検証

2. 成果物の作成
--- 2.1 標準成果物 / 2.2 研究成果物 / 2.2.1 高次成果物 / 2.2.2 試作成果物

3. ミッション運用


 衛星を運用する上でセンサが健全に機能しているか、また取得されたデータの信頼性はどれくらいなのかといった事項は非常に重要です。そのため製造から打ち上げまでの間にいくつもの地上試験が行われます。しかし地上では計測しきれない点や、宇宙での振る舞いが予測しきれない点があることも事実です。そのため打ち上げ後の初期校正や運用中の定期的な校正、また成果物の精度検証はセンサ開発機関、データ配布機関にとって重要な作業です。特にALOSはそのミッションを達成するために従来の衛星とは比較にならないほど厳しい条件で設計されています。EORCでは衛星グループやメーカと共同でALOSの各センサの校正・検証を行うため、手法の検討や計画立案を行っています。校正・検証については評価の項目を大きく3つにわけ、センサの特性評価、校正(ラジオメトリック校正・ジオメトリック校正)、画質評価の点から作業を実施してゆく予定になっています。センサの特性評価では温度依存性、時間依存性、周波数依存性等の評価を、ラジオメトリック校正ではアクティブレーダー校正装置等の開発運用、代替校正の実施を、ジオメトリック校正では地上基準点(Ground Control Points: GCP)を利用した相対位置・絶対位置の評価、画質評価ではS/N比の評価、ストライプノイズの除去等を行っていく予定です。



 ALOSで観測されたデータはデータ中継技術衛星を経由して、あるいは直接受信によって地球観測センター(Earth Observation Center: EOC)にダウンリンクされます。そのデータ量は一日あたりPRISMで400Gバイト(7600シーン)、AVNIR-2で230Gバイト(1400シーン)、PALSARで450Gバイト(1400シーン)、3センサ合計で1テラバイトを超える膨大なものとなります。これらのデータは標準成果物、研究(高次、試作)成果物に加工されます。

ALOSの標準成果物の定義を表1に示します。上記のデータ量の換算はレベル0によるものです。高次の標準成果物は伸張等によってデータサイズが増大するため、受信されたデータは基本的にレベル0で保存され、ユーザからの要求があった時点で一時的に高次の成果物が生成・提供されることになっています。ユーザはWWWベースのインターフェイスを有するALOS User Interface Gateway (AUIG)を介して標準成果物の検索・要求・取得が可能となる予定です(ちなみに、さまざまな衛星によって現在までに取得された地球観測データはEOCのホームページで検索・注文することができます)。また機関ユーザのように大量のデータを使用することが見込まれるパワーユーザに対してはレベル0でデータを提供し、自ら成果物の作成を行ってもらうように調整を進めています。

レベル 定義 備考
全センサ共通
Raw 受信機からのビットストリーム パケット分離前
0 Virtual Channel Data Unix 単位のデータ データ伸張前、永久保存
PRISM、AVNIR-2 の処理レベル
1A シーン単位に切り出した未補正データ 中間生成物、保存しない
1B1 ラジオメトリック補正済みデータ 中間生成物、保存しない
1B2 幾何補正済みデータ 一定期間保存
PALSAR の処理レベル
1.0 シーン単位に切り出した未補正データ 中間生成物、保存しない
1.1 レンジ圧縮および1ルックジアマス圧縮を行った後
のスラントレンジ上の複素数データ
中間生成物、保存しない
1.5 地図投影を行ったデータ 一定期間保存



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2.2 研究成果物
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