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波長と周波数
電波や光(可視光),そのほかにレントゲンで使うX線や日焼けの原因の紫外線,こたつの出す赤外線,あとは記事のなかにあるガンマ線。これらは全て,電磁波とよばれる,電場と磁場が振動して伝わる波の仲間です。その違いは波の山と山の間隔で,この間隔の長さを波長といいます。境界ははっきりと決まっていませんが,波長が0.1 ミリメートル より長い電磁波を電波,それよりも短く1マイクロメートル(千分の1ミリ)より長い電磁波が赤外線で,そこから波長が短くなるにつれて(可視)光,紫外線,X線,ガンマ線と名前を変えていきます。一方,波を特徴づける量として,周波数があります。これは,振動数とも言われます。これには1秒間に通過する波の山の数,ヘルツ(Hz),を用い数えます。電磁波の伝わる早さは,(厳密に言うと真空中では)常に一定です。したがって,電磁波が1秒間に進む距離30万kmの中にできる波の数を数えれば,それが周波数となります。波長がわかれば,電磁波が1秒間に進む距離を波長で割ることで周波数を求められます。つまり,電磁波を区別するためには,波長か振動数のどちらか1つを言えば十分です。「はるか」の観測波長である,1.3cm, 6cm, 18cmはそれぞれ,220億Hz, 50億Hz, 16億Hzですが,十億をあらわす補助単位 G (ギガ)を使って,22GHz, 5GHz, 1.6GHzとあらわします。実際どちらを使うかですが,波長は,電波から紫外線くらいまでの広い範囲で使用されています。周波数は,主に電波で使われます。
(村田泰宏)
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