No.183
1996.6


- Home page
- No.183 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
+ M-V事情
- はじまりのはなし
- 東奔西走
- 小宇宙
- いも焼酎

- BackNumber
M-V 総合オペレーションはじまる

 連休明けとともに終了したM-V型ロケット第1号機の噛み合わせにひきつづき,早くも5月21日からは「M-V-1号機総合・地上系オペレーション」が始まった。この一連の作業は,M型ロケットについて継続的に行われているもので,飛翔状態に極めて近い状態で,姿勢制御系を中心とした搭載機器の試験を行うものである。推進系であるモータ部を除いて,実機と殆ど同じ状態で各機器群を実機型のケーブルで結合し,できるかぎり射場設備を動員して,その動作・機能を確認する。関連して,ランチャなど地上設備についても,組立オペレーションに先行して準備を整えるという意味があり,名称は総合・地上系オペレーションとなっている。実はあまり知られていないが,このオペに合わせて,モータ部など機体の輸送も行われていて,この段階を過ぎると、ほぼ全ての搭載品が鹿児島の射場にそろうことになるのである。あとは,組立オペを残すのみで,M-V-1の機体は7月半ば一気に全貌を現すことになる。今回はM-V-1向けということで,このオペレーションに先行して5月14日からはダミーロケットによる全機振動試験も行わ れているが,その結果も良好とのこと。所期の目的を達成したようである。Mのオペは昨年1月以来である。新装の衛星クリーンルーム,Mクリーンブース,新整備棟など,M-Vの 打ち上げ準備は着々と整いつつある。

(川口淳一郎)

Return
Next

M-V-1号機輸送

 M-V型ロケットを計画してから約10年が過ぎると言う。予算が正式に付いてから6年に,輸送計画を立案して鹿児島県庁に最初に相談に行ってから4年が経過した。

 平成8年5月22日M-V-1号機第1段モータ,セグメント1が快晴の知多半島武豊(日本油脂武豊工場)で80トントレーラーに積み込まれた。大げさに言うならば,この先の宇宙科学研究所の夢を載せた第1歩である。  翌5月23日衣浦港・武豊北埠頭にて船積みし,ロケットは海路鹿児島県内之浦港に向けて文字どおり船出した。  KSCで平成7年度第2次実験までに飛翔したロケットは353機を数え,その総てはJR貨物とトラックにより輸送されてきた。今回初めて船舶による輸送を行うこととなり関係各方面に働きかけ8機関24部局に申請書を出した。船舶輸送は国内近海を走行するにも総て国際法が適用され法規制による締め付けは最初予想したものより遥かに面倒であった。  それに輪をかけたように陸上トレーラー輸送も法規制にあい,通行する橋にはオーバーブリッジを掛け,夜間0時からのみの通行と言う事で総ての許可が下りた。  24日には第1段モータのセグメント2,25日には第2段モータも船出し,太平洋上を走行して,25日夜のセグメント1を皮切りにあい次いで内之浦港に到着した。そして深夜の時間帯に港から鹿児島宇宙空間観測所まで4キロ強の坂道を走り,無事実験場の火薬庫におさめられた。

(林紀幸)


- Home page
- No.183 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
+ M-V事情
- はじまりのはなし
- 東奔西走
- 小宇宙
- いも焼酎

- BackNumber

Return


#
目次
#
はじまりのはなし
#
Home page

ISASニュース No.183 (無断転載不可)