研究教育職員(2017年10月1日現在)

氏名 嶋田 徹 教授
Toru SHIMADA
学位 工学博士(東京大学、1985年)
研究テーマ

・内部流と関連現象のメカニズムの解明

1. 固体ロケットの発生トルクの謎
M-Vの打ち上げ時に発生するロール外乱の原因は何か? 内部流が作り出す旋回流によるロールトルク発生のメカニズムを探求しています。

2. 固体ロケットノズル・インレット周りの流れ
ノズルインレットは通常サブマージノズルの先端に位置し、燃焼室の後部キャビティ部に埋没した形態です。その周りの流れは渦構造を伴う複雑な3次元性を示すことが分かってきています。渦の発生はロケットの推力振動すなわち機体の振動環境に影響を及ぼすだけでなく、燃焼室内の音響振動を介して、燃焼振動に発展する場合や、旋回流となり、機軸周りのロールトルクを発生させることがあります。また、粒子のインレットへの衝突やスラグの発生が大きな問題となります。これらのもととなる流れ場の解明に取り組んでいます。

3. 音響・振動燃焼を予測
固体やハイブリッド・ロケットの音響振動・燃焼振動は燃焼室内部の流れ、音響、固体燃料の燃焼、固体燃料の熱伝導、表面後退等の様々な効果が複合して起きます。これらを統合的に扱い、実モータの振動燃焼特性を予測するための技術開発を目指しています。

4. ノズルの局所アブレーションの正体
ノズル開口部の超音速流と断熱材のアブレーションの干渉によって起きると考えられる局所アブレーションや、クロスハッチング等の現象の発生メカニズムを、CFDとアブレーションの連成解析によって解明します。

5. 気体-粒子非平衡混相流解析
アルミニウム/アルミナ液滴粒子の燃焼や分裂/合併等の詳細な物理化学モデルを含む混相流解析をより精度良く、より効率的に行う方法の開発に取り組んでいます。

・ロケットの内部弾道特性を高精度に予測

6. VOF法を用いた固体推進薬注型挙動解析
固体推進薬スラリー(懸濁液)の注型時の流れを解析し、バッチ毎の硬化形状を予測します。自由界面の取扱にはVOF法等を用いています。

7. VOF法を用いた燃焼圧力予測解析
推進薬グレインにおいて局所燃焼速度変動や、バッチ間変動、欠陥、気泡等が含まれる場合における、固体ロケットモータの燃焼圧力履歴を予測する数値解析技術の構築に取り組んでいます。

8. 固体推進薬の局所燃速変動(ハンプ効果、スケール効果)の解明
注型後の推進薬グレインにおいて局所的な燃焼速度が変動するメカニズムの解明に取り組んでいます。固体推進薬の製造過程(特にスラリ注型や酸化剤粒子形態など)における相違とこれら局所燃焼速度変動との関係を、マイクロX線CTを用いたコンポジット推進薬の観察や、燃焼試験を用いて明らかにします。

9. 非均質燃焼解析
コンポジット推進薬は酸化剤微粒子、金属微粒子が液体ゴムに混合され固められたものです。コンポジット推進薬の数値モデルをパッキング解析によって作成し、その燃焼解析を行うことによって、微粒子の配合の仕方と燃焼変動パターンとの相関を調べ、さらに振動燃焼解析と統合することで、微粒子の配合の方法と振動燃焼特性の関係を調べて行きたいと考えています。

・ハイブリッド・ロケットの研究WG

10. ハイブリッド・ロケット内の燃焼流れを解明
ハイブリッド・ロケットが、固体ロケットや液体ロケットと異なるのは、マクロな流れの渦構造が燃焼の特性を決めるということです。CFDと連成させて燃料の分解、酸化剤の混合、燃焼の解析はハイブリッド・ロケット研究にとって非常に大事な技術となります。


査読付論文リスト(JAXAリポジトリ収録分)

自己紹介

研究室web pageに詳しい紹介があります。

嶋田研究室ウェブサイト