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SOLAR−B衛星 
  内之浦宇宙空間観測所に向けて出発


大型トレーラーに載せられたSOLAR-B衛星と,
見守る関係者(相模原キャンパスにて)。

 昨年6月から続いた総合試験を終えて,SOLAR-B衛星が内之浦宇宙空間観測所(USC)に向かう日が来ました。7月29日の一般公開を輸送用コンテナの中で過ごしたSOLAR-B。明くる30日の夕刻,衛星の設置用台車など大物機材の運び出しに続いて,いよいよ衛星を運ぶ大型特殊トレーラーが飛翔体環境試験棟の開梱室前に到着です。建設現場で使うような大きなレッカー車両が輸送コンテナをつり上げている間に,トレーラーが一般道からバックで器用に開梱室前に進入。関係者の見守る中,トレーラー到着から10分ほどでコンテナは荷台の上に載せられました。天気は曇り時々晴れ。気温も30℃を下回り,搬出には申し分ない気候です。午後5時半,日曜日にもかかわらず駆けつけた有志による万歳三唱に送られて,衛星は相模原キャンパスを後にしました。

 さて,衛星バッテリーと搭載望遠鏡の要請から,USCへの輸送中,SOLAR-B衛星の温度は30℃を超えないようにしないといけません。一方,輸送コンテナ自身にはエアコンは付けていません。そのため,相模原キャンパスを出たトレーラーは,近所にある輸送業者のターミナルにまず向かいます。そこではエアコン付きの外枠をコンテナにかぶせる作業が待っています。搬出作業の第2ラウンドです。12畳用のエアコン4台でコンテナごと空調された衛星は,同日午後10時にターミナルを出発。USCまで27時間の旅路に就きました。

 輸送中も衛星の温度は気掛かりです。コンテナ内部の温湿度を無線式のモニター計でチェックし,現在位置とともに約2時間ごとに輸送関係者に携帯メールで知らせることとしました。万一問題が生じた場合は,即電話連絡です。幸い,途中問題も起こらず,予定通りの時刻にUSCに到着しました。強力エアコンのおかげで全行程を通じて温度は20℃台前半。衛星も安眠できたことでしょう。

 衛星も到着し,いよいよ打上げが目前となりました。M-Xロケット最後のフライトとして,ロケット打上げの成功,そして衛星観測の成功を達成すべく,ロケットの人たちと力を合わせ,悔いのないオペレーションを行っていきたいと思います。

(坂尾太郎) 


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