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ペネトレータ完成に向けての飛躍!
サンディア実験


 昨年の11月の実験でペネトレータの完成に向けた試験が始動し,成功を収めたことを報告してはや半年余り,いよいよ大きな飛躍に向けた試験を迎えることになりました。これまでの不具合改修の成果の大半と昨年の試験成果を反映させ,機能的には完全動作する機体の貫入試験を米国ニューメキシコ州,サンディア国立研究所にて実施しました。今回の実験には我々チームメンバーのほかに,井上本部長,岩崎研究推進室長,そして惑星協会(Planetary Society)会長のLouis Friedman博士も参加していただきました。

 試験準備が少し遅れたために,予定より約1日遅れて2006年6月1日11時28分に貫入試験が実施されました。試験後,ペネトレータが埋まっている砂の上にアンテナをセットし,通信できる時間帯が来るまで待機します。

 同日の14時30分から数十分間のウインドウが,想定される最も早い通信機会です。全員が見守る中,ペネトレータから反応があるかどうかを待ちます。今回のタイミングではどうやら通信はとれそうにないと思い始めた14時50分ごろ,スペクトルアナライザーにペネトレータからの送信信号を示す波形を検知! このシグナルを見たとき,思わず私は「きたきたきた!」と絶叫していました。これまで待ちに待った,貫入後の機体で通信をとることに成功したのです。それ以降の現地でのチェックでも問題は検出されず,これまでに積み重ねた対衝撃技術の妥当性もおおむね確認できました。今回の試験ではリセットセンサが駆動しなかったため,100点満点とはいえない成果であり,今後の調査で対処すべき課題も残しました。しかし,大筋では成功したといえ,来年に予定されている最終段階の試験に向けて確かな手応えを得ることができました。


貫入後,供試体を実験室に持ち帰って動作チェック中。

今回参加メンバーの集合写真。昼食後のレストラン前にて。

(田中 智) 


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