No.300
2006.3


ISASニュース 2006.3 No.300 

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「スペース・サイエンス・ワールド in とっとり」に参加して


 「あかり」の打上げからすぐの2月25日と26日に、鳥取県とJAXAの共催で「スペース・サイエンス・ワールド in とっとり」が開催され、請われて参加しました。的川執行役は、内之浦との往復という際どさで、打上げが1日でも遅れていたら2人とも参加できないというタイミングでしたが、事なきを得ました。宇宙研玄関ホールにある「はやぶさ」の模型や宇宙服レプリカなどの宇宙関係の展示と、地球内部構造と地質化学関係の国際シンポジウム「小惑星からのサンプルリターン計画(はやぶさ)と、初期太陽系・初期地球の進化」、そして一般向けの講演会、フリートーキングを組み合わせたイベントで、鳥取県中部の「倉吉未来中心」において2日間にわたって行われました。

 シンポジウムは、岡山大学地球物質科学研究センター(鳥取県三朝町)の中村栄三センター長が中心となって企画を立てられ、小規模とはいえ国際会議として立派な運営がなされていて感心致しました。同センターは世界に誇る分析設備とスタッフを擁し、イトカワからの試料も分析をお願いすることになるかと考えられており、三朝町長さんの期待も大きく感じられたところです。

 私は「はやぶさ」に関する講演を、ということでお話しさせていただきました。高校生もたくさんおいでになり、大変熱心に聴かれていたのが頼もしく感じられました。片山善博鳥取県知事には、大変にご多忙中であるに違いないにもかかわらず、講演はもとより、続くフリートーキングにも参加いただくなど、文化活動にかける意気込み、そのお志を強く感じたところです。

 私も地方の出身であるだけに、宇宙開発と地域の文化活動の接続性に漠然とした不安を感じておられる県庁の方々のお気持ちはよく分かるところです。しかし、宇宙への関心を培うのに場所は関係なく、逆にきれいな夜空を眺め、自然に接する機会の多い方が、いろいろな意味で展望ができるとも考えることができます。いつの日か、鳥取をはじめとして、今の高校生の世代から、第二、第三の「はやぶさ」が提案されて実施していくことができればと、大いに期待したいところです。


(川口 淳一郎) 


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