- Home page
- No.297 目次
- 宇宙科学最前線
- お知らせ
+ ISAS事情
- 科学衛星秘話
- 宇宙の○人
- 東奔西走
- いも焼酎
- 宇宙・夢・人
- 編集後記

- BackNumber

宇宙学校 福井の巻

11月12日(土)福井県児童科学館「エンゼルランドふくい」


 今年の宇宙学校は福井,長崎,東京の3ヶ所で行われることになりましたが,その第一弾,福井の巻です。

 去年は3時限構成で,最初の1時限を講演の時間,後の2時限分を「Q and A」の時間としました。それぞれの時間の後には映画が上映されました。

 今年は「アインシュタイン100年」の年でもあるので,1時限目の講演は「アインシュタインと宇宙,この100年(平林)」にすることにしました。「Q and A」は,「ロケットと惑星探査(橋本,加藤)」と「宇宙と生命(海老沢,黒谷)」でした。

 ポスターとビラは,今回も黒谷さんの無償の奉仕による名作,「はやぶさ」に「すざく」が舞い,小惑星イトカワ上に佐々木小次郎とおぼしき剣士が白刃をきらめかす宇宙の舞台です。講師陣は,パワーポイント資料も配布資料もしっかり準備して,前の夕に福井に集結しました。さあ,今夜はまずはそろって一杯,翌日のために英気を養おうではありませんか。

 講師陣はここで,その日の設営陣からさらりと打ち明けられました。「プラネタリウム会場特有の設定があって,パワーポイントはチェックできなかった」。聞けば聞くほど心配が重なり,つまり最悪の場合,パワーポイントは映せない可能性がなしではなかった。しかし,ここは食べて飲んで眠るしかないようだった。

 翌日の校長先生役の的川さんも現れる。「あのぅ,平林君ねぇ。『はやぶさ』が大事な局面でねぇ,僕は相模原にいた方がいいと思うんだ。明日の朝一番で帰るから,校長役頼むよ。ね」。的川さんの献身の努力には,誰だって協力したくなる。

 翌日,宇宙研切り込み隊は,予定より早く福井県児童科学館「エンゼルランドふくい」に着いた。プラネタリウムを開けてもらい,暗いコンソール周りの3台のPCから1本のRGBケーブルを探し出して,自分のPCにつないでみた。映った,映った,映ったよ。

 橋本先生は,危機に対して慎重準備だった。OHPシートも用意しておられたのだ。ほんとに偉い。OHPプロジェクターはなかったけれど。心掛けが偉い。

 一番バッターの「アインシュタインと宇宙……」の1時間講演は,パワーポイントが映ればもう安心。

 2時限,3時限も楽しく過ぎました。4人の講師は適役でした。初めての講師役の海老沢先生は,簡単な物理実験をもって熱演。

 昼休みには,庭に宇宙の桜を植えるイベントもありました。

 夜は,児童科学館の皆さんと夕食会をしました。こういう機会には,皆さんの考え方や,今後どんな広報教育活動をしたらいいか,ヒントが得られます。福井は,人も食べ物もいいところでした。

 今回は,準備にいくつか問題がありました。しかし,少ない広報態勢で陣容を分け,「はやぶさ」対応,宇宙学校,その他もろもろをこなすわけなのだから立派。終わってみれば,面白いイベントでした。

(平林 久) 


Return
Next

#
目次
#
さようなら,電波天文衛星「はるか」
#
科学衛星秘話
#
Home page

ISASニュース No.297 (無断転載不可)