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観測ロケットS-310-36号機の噛合せ試験


 観測ロケットS-310-36号機の噛合せ試験が10月14日から始まり,2週間余りの日程がちょうど終了した。本号機の目的は,複数衛星によるアレイアンテナの構成実験である。アレイアンテナは,ロケットから分離された親衛星を中心として,三角形端点の3機の子衛星との計4機で構成されることになっている。また,親子間通信や地上への送電実験などに多種類の電波を使うため,噛合せ試験期間中に電波暗室でアンテナ試験の日を設けたことが特色となった。

 本号機の実験は,神戸大学賀谷研究室と東京大学中須賀研究室の共同提案によるものである。将来の大型宇宙構造物の一つの形態として,膜や網の端に小型衛星を取り付け,その小型衛星の推進力を利用して膜や網を広げる方式が研究されており,超大型の太陽電池やアレイアンテナの構成方法などへ,この概念が利用できる。今回の実験は,この方式による大型宇宙構造物構築法の実証実験であり,また,アクティブフェイズドアレイアンテナの宇宙空間における基礎実験である。

 ロケット共通機器部組み込み,実験機器部組み込み,頭胴部組み上げ,タイマーシーケンス試験,機械環境試験,電波暗室におけるアンテナ構成試験と通信試験など,今回予定していた試験を終え,来年早々の最終チェックを経てフライトオペレーションに入る予定である。


電波暗室におけるアンテナ構成試験

(樋口 健) 


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ISASニュース No.296 (無断転載不可)