No.226
2000.1

新任のご挨拶   ISASニュース 2000.1 No.226

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所 長 松 尾 弘 毅  


 明けましておめでとうございます。

 この度,西田所長の後を継いで所長に就任することになりました。

 研究所をめぐる情勢から多方面での対応を要求されているなか,光栄であると同時に身に余る大任と感じています。

 1962年に大学院生として当時東大生研の糸川研究室に配属されて以来,我が国初の人工衛星を目指した計画,その過程での“おおすみ”の打ち上げ成功,東大からの分離独立,我が国初の惑星間飛行となった“さきがけ”“すいせい”によるハレー彗星探査,M-Vロケットの開発承認と打ち上げ成功,と数々の節目の局面に身を置いてきました。折々での先人の方々のご苦労は大変なものだったと拝察いたしますが,基本的なトレードオフの余地は少なく,ひたすら前進する事が可能だったと思います。理工を両輪とする体制,第一級の科学的成果,それを可能とした工学的基盤は,他機関に先駆けて実施した第三者評価でも高い評価を受けました。

 M-Vロケットはすでに電波天文工学実験衛星“はるか”,火星探査機“のぞみ”の打ち上げに成功し,このあともX線天文衛星ASTRO-E,小惑星サンプルリターンのMUSES-C,月探査のLUNAR-ASELENE,赤外線天文衛星ASTRO-F,太陽観測衛星SOLAR-Bと魅力的なミッションが並んでいます。

 しかし前号での西田前所長の分析にもある通り,この延長線上でこれからも世界で第一線の地位を保つには色々な困難があるのも確かです。

 現在,宇宙科学のための三機関懇談会など,オールジャパンをキィワードとした胎動があります。研究者として高い水準を維持しつつ自らの手でプロジェクトを実施していくという特質を失うことなく,どのような選択をしていくのか,大きな課題だと考えています。

(まつお・ひろき)


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