No.200
1997.11

200号記念にあたって          

ISASニュース 1997.11 No.200


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   ISASニュース編集委員長  松尾弘毅


 まことに早いもので,わがISASニュースも200号を迎え記念特集号発行の運びとなりました。1号から100号の間は,1981年に文部省の直轄研として現在の宇宙科学研究所が発足し,東大時代に培った基盤の上に宇宙科学研究が飛躍的に発展した時期にあたります。初代所長は森大吉郎教授でした。

 前半においては,M-3Sロケットによる「てんま」「おおぞら」が成果を挙げる一方,それまでの固体ロケット技術の集大成としてM-3SII型ロケットの開発が進められました。1985年1月と8月にはその1,2号機による「さきがけ」「すいせい」がわが国初の惑星間飛行でハレー彗星の探査に成功しました。さらに1987年には「ぎんが」が打上げられ,世界のX線天文学の分野にぎんが時代を画しました。89年には国際太陽地球系物理学計画の先頭を切ってオーロラ観測衛星「あけぼの」が打ち上げられ,今なお健在です。

 鹿児島宇宙空間観測所では,M-3SII型のための整備のほか,1981年には全天候型の観測ロケット発射ドームが完成し,さらにS-520型のペイロードの海上回収が成功して,いずれも今に続く活躍をしています。

 能代実験場では,M-3SII型のモータの開発に加えて,80年代早々に液酸/液水エンジンのステージ試験が成功しており,さらにエキスパンダサイクルを用いたエンジンの開発が進められました。有翼飛翔体のヘリコプタからの投下実験(1986,87)もここで行われています。

 大気球グループは本拠地の三陸大気球観測所での新ブーメラン気球による実験のほか,オーストラリア,インドネシア等での海外キャンペーンを積極的に進めました。ハレー彗星探査にあわせて,1984年には64mアンテナを有する臼田宇宙空間観測所が開所し,わが国は深宇宙探査を独自に遂行する能力を手にしました。 新本部キャンパスとして相模原キャンパスが1983年に着工され,89年5月には西村純所長のもと移転記念式典が挙行されています。この間,86年には小田稔所長のもと,ペンシルにはじまる宇宙空間観測30年を祝っています。

 今回は,101号から200号の間の宇宙科学研究所の歩みを振り返ってみました。100号記念では各界の方々から宇宙研への期待の言葉を寄せて頂きましたが,果たしてご期待に添えたのかどうか読み比べて頂ければと思います。

(まつお・ひろき)


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