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200人を越えた接待客
さる2月12日午後1時50分,M-V-1ロケットは,真っ白な煙を思いっきり吐き出し光り輝いて,遅れてきた轟音を引きずりながら空を突き破っていった。カウントが確実に時を刻み,飛翔の状況をマイクで伝える笠木幸子さんの声が辺りに木霊して天から聞こえてくる。それまで息を止めていた口々から歓声があがり,誰かが拳をあげて叫んでいる。やがて歓声は拍手に代わり,笠木さんの声が聞こえる度に波浪のごとくに続く。
人垣の後ろに,秋葉先生が口を結んで立っている。栗林先生が駆け寄り,両手で右手を握り顔は腕の中に埋もれた。秋葉先生は何度も頷いている。その向こうに木下部長の躍っている肩が見え,それらが霞んでいく。衛星が軌道に乗るまでの8分間は長く短く,宮原台地に立つ人々にかかる関わりの深さを超えて一体となって華やいだ。
打上げが延期された2月11日のKSC管理棟は,200人もの招待客で膨れ上がっていた。大変な混乱もなく過ごせた原因には,
1.移動中の連絡はバス単位で行った
2.携帯電話を駆使した
3.担当者は自分で判断し結果を責任者に報告した
4.旅行業者を同道していた等が挙げられる。
(枝 丈雄)
ISASニュース No.194 (無断転載不可)