No.194
1997.5

コラム

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カウントダウン

 最終の動作チェック,発射直前のタイマ機器のアンサーは異常なし,タイマ電源電圧も正常,万全を期して打上げに臨んではいるものの不安が頭の中にジワジワと浸透してくる。
X−60秒:タイマ点火管制盤のカウンターが−60からカウントダウンを始める。
 −50秒:タイマスタート青色点灯,これでタイマスタートは確認した。
 −30秒:タイマOK点灯,これでタイマ系は全て正常,モータ点火までアンサー異常はありません様に,タイマアンサーの20余りの表示灯を見落とさないようににらみつける。もし,その中の表示灯の1つが一瞬でも変化して正常に戻ったらどうしようか?ランプの接触不良かも知れない。それでも,「エマスト!」と大きな声で発声する心の準備は出来ている。
 −15秒: SPGG点火確認の声,タイマ表示灯に変化無し。そのまま行けよ,何か表示に変化があればエマストと心の中で再確認。
X=0秒:振動でモータ点火を確認,管制盤から目を離しモニタテレビを見る。
+75秒:1段分離,大きな衝撃が搭載機器を襲っているはずだ,タイマは大丈夫だろうか,
+197秒:搭載カメラでタイマは正常にシーケンスを実行している事を確認。生きてる。よし, もう少しだ,ガンバレ! その後,第3段目タイマ,衛星タイマも正常で,衛星はほぼ予定の軌道に投入された。

 畑仕事でいつも忙しい兄夫婦が米を持って見学に来た。打上げを見て直ぐ帰ったが,2倍以上の感激にその夜は酔った。

(中部博雄)



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コラム13 発射から軌道まで
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ISASニュース No.194 (無断転載不可)