No.193
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論説委員等との懇談会

 さる3月12日(水)一ツ橋の如水会館において,恒例の論説委員との懇談会が開催されました。動燃の爆発事故の論説書きの影響で,現役の論説委員の方々の大半が欠席という事態となりましたが,それでも13名のお客さまの出席を得ました。M-Vロケットの打上げ成功と「はるか」の現況をトップに,活動中の衛星の最近の成果,将来計画などについて報告しました。活発なQ&Aも行われ,明日の日本を築く立場から広報活動のあり方について,さまざまな貴重な助言をいただきました。

(的川 泰宣)

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その後の「はるか」

 「はるか」は,元気に6時間20分周期の長楕円軌道を廻っています。日曜を除く週6日の,遠地点側の夜間数時間の初期運用を行っています。  2月28日に8mアンテナ系の展開を完了した後は,姿勢系チェック,電波天文とテレメトリー系チェック等が行われてきました。姿勢系は太陽センサー,スタートラッカーのチェックと姿勢のマヌーバー試験です。今までの予備的なチェックによると,電波天文系はそれなりに機能している事がわかっています。

 ここでテレメトリー系というのは,スペースVLBI観測固有の衛星受信系とテレメトリー局との双方向通信です。まず,臼田の新設10mアンテナと衛星搭載の45Bアンテナとの間で,リンクの確認,電波天文系からのダウンリンクの128Mbpsの信号のデコード,地上からの基準信号のアップリンクに対する機上受信系の位相ロック,往復路での位相計測,等々の実験が行われております。これによって,「はるか」の電波天文受信系と地上とがつながり始めています。

 近未来の予定に触れます。このテレメトリー局は臼田のみならず,外国に新設された4局にも広げてチェックが始まります。電波天体からの信号の受信チェックをするのは3月末からです。そして,4月始めから,まず臼田の64mアンテナと「はるか」の8mアンテナとを結ぶ干渉実験が始まる予定です。これを,まず1.6GHzで始めます。続いて外国局を使っても開始します。この実験が成功すると,いよいよスペースVLBI観測の入場券を手にいれたと言っていいでしょう。ここまでを桜の咲く時期に済ませたらと思っています。これに続いてイメージング観測を4月中に行う予定です。

(平林 久)

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記録映画「宇宙その謎に挑む」のご利用を

 宇宙研データセンターでは,人工衛星打上げの度に その記録映画を作ってきました。ロケット打上げまでの作業,科学衛星の観測目的や その組立て作業などを紹介するものです。これまでの記録映画は,打上げ後半年くらいのうちに制作されたものなので,各々の科学衛星の観測成果は十分には取り込めていませんでした。そこで,宇宙科学のこの10年の歩みをふりかえり,「GEOTAIL」,「ようこう」,「あすか」などの最新の成果をまとめた記録映画「宇宙その謎に挑 む」を作成しました。16ミリフィルムとVHSビデオの形で貸し出しています。日本語版、英語版があり,ともに30分です。宇宙科学の最前線を知るために,ぜひご活用ください。

 このほかにも,ペンシルロケット発射からの40年をまとめた「ロケット開発の歩 み」,宇宙研を紹介する「Welcome to ISAS」,「SFU」,「スペースプレーンの開発研究」などがあります。

 お問い合わせは,データセンター(内線2934)または企画・広報係(内線2205)まで

(周東 三和子)

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ペンシルがスミソニアンに展示

 数年前,ペンシル・ロケットの模型がワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館に展示されることになったと報じましたが,実際にはずっと遅れて,昨年の暮れにやっと展示される運びとなりました。このたび慶応大学の玉川さんがさる2月22日にワシントンを訪れた際,展示の現場を見てレポートを寄せてくれました。ここに紹介します。

(的川 泰宣)


 館内はたくさんの親子連れや旅行者でにぎわい,ざわめいた様子でした。展示物も期待どおり歴史的に貴重なものや,見て楽しい,触って楽しいものが所狭しと並び,時間の経つのがとても短く感じられました。  その中で宇宙科学研究所から寄贈されたペンシル・ロケットを発見してとても感動しました。今まで写真でしか見たことがなかったので,肉眼で見た時は「これかー!」という気になりました。嬉しかったです。

 展示場所は「ロケット開発の歴史」のコーナーで,豊富な展示物の中ですぐ目につく所に置かれ,VIP扱いのような感じでした。この写真をとろうとした時に,ちびっこグループがやってきて“So cute ! ”とか“It's cool.”などと口にしていたので,一緒に写ってもらいました。きっと子供から大人まで(正確に言うと小さい子供から大きい子供まで)感動を与えられるものなのかなと一人でニコニコしてしまいました。

 ここに贈られたペンシルが,宇宙を愛するすべての人々を平和につなげる役割を果たしてくれたらいいなとひそかな期待を寄せながら,スミソニアン航空宇宙博物館をあとにしました。

(慶応大学・玉川直世)

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太陽へ接近中のヘール・ボップ彗星

 この彗星は1995年7月23日(UT),アメリカの二人のアマチュア天文家,Alan Hale (ヘール)と Thomas Bopp (ボップ)によって発見されたものです。

 その後のデータから,7.2AUという木星軌道のはるか外側で,ハレー彗星でさえ,こうした条件では21等〜22等と言われております。ただし,木星の外側にいながら11等程度の明るさになる29P/シュワスマン-ワハマン第1彗星があります。

 その後の観測でも,一向に暗くなる気配が見られず,オーストラリア,サイディング・スプリング天文台のU.K.シュミットで1993年4月27日に撮影された乾板から,コマを持った全光度18等のこの彗星のイメージが見つかり,一時的な増光ではなく,巨大な,本質的に明るい彗星であることがわかってきました。

 KSCでは,ヘール・ボップ彗星の観測を昨年から始め,尾のめまぐるしく変化する状況を,3月の菜種梅雨の中で続けています。ハレー彗星の時より条件が悪く,撮影枚数も少ないですが,見事です。表紙の写真は3月5日(UT)の状況です。

(榮楽 正光)

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スペース・フライヤ・ユニット(SFU)実物大モデル展示公開

 スペース・フライヤ・ユニット(SFU)の実物大モデルが大宮市宇宙劇場の管轄の下,大宮市民体育館で公開展示されることになりました。SFUは昨年1月に若田宇宙飛行士が搭乗したシャトルによって回収された再利用・多目的の衛星です。この実物大モデルは昭和60年頃,プロジェクトの着手にあたり,スペース・シャトルの貨物室の大きさに合わせてモデルを作り,開発担当者がその大きさを実感し,色 々な設計条件を検討する目的で製作されました。製作のポイントは実物大であることと気が付いた事をすぐに試すことが出来る手軽さです。主構造のフレームは実機を意識したアルミ合金で製作され,実験装置が搭載される「箱」は厚手のベニア板で製作されました。モジュール設計思想の「箱」の取り付け方法も実際にいくつかのアイデアが試されました。設計担当者や実験提案者が,眺めては新しいアイデアを出し,他のサブシステムとの意見交換を行うためにも利用されました。写真は公開展示された実物大モデルです。


 大宮市民体育館への行き方は,JR大宮駅東口から国際興業バス「導守循環」行き寿能回り(11番乗り場/20分)で「大和田公園」下車,または,JR大宮駅から東武野田線大宮公園駅下車(乗車時間4分)徒歩15分です。
連絡先は,大宮市宇宙劇場(水曜休館):電話 048-647-0011

(清水 幸夫)

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河島信樹教授近畿大へ

 惑星研究系の河島信樹教授がこの度近畿大学に移られることになりました。先生の幅広いご活躍は皆様ご承知の通りです。特に1983年に実施されたSEPAC計画では中心的な役割を果たされました。これは,宇宙空間を実験室とし,電子ビームを放出するなど宇宙環境に能動的に働きかけて実験を行う試みで,シャトル搭載のスペースラブを用いた初の大型国際協力プロジェクトとして多くの成果と貴重な経験が得られました。

 また先生は,月探査にも深い興味をお持ちで,一時期手掛けられた計画,特にリモートセンシングによる月探査計画の流れは,本研究所と宇宙開発事業団との共同計画として進行中の月周回ミッションSELENEへつながるものです。

 特に近年は重力派の検出に情熱を注がれていました。最初は10mサイズの小型の干渉型重力波干渉装置を作り,その後宇宙研の壁沿いに100mもあるTENKO100を完成させました。これは日本ではもちろん最大級で,世界でも数少ない大型の装置としてその存在をアピールし,干渉型重力波観測装置の技術を大きく前進させました。これらの装置建設は河島先生をリーダーとして多くの学生の参加によって進められてきましたが,ここまで永くやってこられたのは河島先生の重力波に対する熱い情熱のお陰であったと思います。TENKO100では重力波検出というところまではいきませんでしたが,将来の宇宙観測手段として可視光,X線,赤外線,ガンマ線そして重力波という時代がくる事と思います。宇宙よりのさざなみは未だ河島先生のところに届いていませんが,その日を期待して新たなご活躍をお祈りいたします。

(松尾 弘毅・矢守 章)

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